【短編小説】ブラックホール病
ねぇパパ
「ねぇパパ、私はいつまでここにいなくちゃいけなの?」
娘のシルビアが曇りガラスの向こうに何か絵を描きながら言った。
「そうだね、もう少し、かな」
「もう少し?もう少しってどのくらい?」
屈託のない目でこちらを見てきた娘を見て唇を噛み締めた。
「そうだな…」
考えるふりをして下を向いた。いろんな感情が私を襲ってきたのを娘に悟られたくなかった。
「ねぇパパ!」私に考えがあると言わんばかりにシルビアが声を上げた。
「パパのいた場所で一緒に暮らせばいいんじゃない?」
「パ