見出し画像

Ep.002 学習計画の立て方

第1章 生活パターンの割り出しと学習可能時間の可視化

6月27日 2回目の講義 学習計画の策定
 前日に父親のHさんを挟んで3者面談を終え、翌日にさっそく次の講義を設けた。時間も限りがあるので、早めに動いてすぐにでも学習に入ってほしかったためだ。

 K君自身も認めていたが、勉強自体が苦手で学習計画を立てるのも苦手そうだと感じた。そのため縦軸、横軸、パイチャート形式の3つの形式で日程表をエクセルデータで用意した(上記添付ファイルが実物)。実際に彼が選んだのはパイチャート形式だった。参考文献は書評も書いたAki著『英語で人生が変わる独学術』KADOKAWA2022年を事前に指定していた。こちらはパイチャート形式で時間割を掲載していたので、形式を選択時点で彼はまだ読んでいなかったため偶然うまくはまって安堵していた。

彼はデータセンター勤務のためシフトが日勤、夕勤、夜勤の3種あるとのことパイチャートのシートをコピーしてもらって3種類作成してもらった。
現物のパイチャートは彼のプライバシーにも関わるため、学習可能時間の可視化の過程だけに集中して述べる。以下が彼のシフトの概要になる。

シフト 3種

睡眠時間、勤務時間はまず学習不可時間として表をグレーアウト
朝食・昼食・夕食・風呂は人によって隙間時間として使えるが、K君と話し合ってここは万が一として記憶に留めておく程度で基本使わないと決定したので、グリーンハイライトした。
出勤は1.5時間かかるというので、空き時間と合わせて学習可能時間としてブルーハイライトした。

日程表 一例
グラフ作成用データの入力例

 日勤の場合、最大6時間が勉強に充てられるということがこれで可視化出来た。あくまで可視化のため、全てを勉強に充てる必要はない。かなり意志の強い方、根性論で推し通ることが出来る方以外可視化した時間を全部費やす計画はおススメしない。必ず破綻するので学習計画の修正も大幅に強いられるため、効率が悪いと言える。また彼のように不規則な生活をしている場合、特に夜勤がある方はムリをしない計画を練ってほしい。その理由として生活リズムが狂いやすく立てた計画が破綻しやすくなるためである。
 ここで私はK君と話し合いをして、一日どれくらいなら「毎日継続」して勉強できるか決定してもらった。この本人に決めさせるというのも大切なプロセスと考えている。自身で決めたことは守るという習慣づけは実際の仕事、タスク管理においても支えになる考え方なので、時間が守れない方は是非試してほしい。

■K君が決めた学習時間
1日 30分 
日勤 朝出勤前(できなかった場合、出勤時の電車内を予備として設定)
夕勤 出勤時
夜勤 帰宅時

 上記の設定には、破綻要因が1点ある。読者の方はどれにあたると考えられるだろうか。
 答えは夜勤の帰宅時である。夜勤の仕事が終わった後帰りの電車はくたくたに疲れているので、まず寝落ちすることが多い。これは後で彼に実際に体験してもらい学習計画の修正をお願いしたが、正しくは帰宅後すぐに寝て、起きたタイミングで勉強するのが望ましいと考える。ただ起きた後にまた就寝時間が来るので、ここは生活パターンに工夫が必要と考えており、現時点でも経過を確認する必要があるケースと考えている。日勤時の朝出勤前も起きれないというケースは想定しているが、出来なかった場合の代替案を用意している。夕勤も空き時間の方が確実と考えるが、定時前の出勤のため座れる可能性が高いことで集中できるだろうという判断で決めてもらった。

 学習計画は決めたら終わりではなく都度修正は必然的に起こる。ただ大幅な修正は定まらないことが多くなり非効率かつモチベーション低下を生む可能性があると考えている。なので、捻出した6時間の内たった30分ならという心の余裕を持たせることも「継続」を意識した上でK君に決めてもらった。

 正直なところ、30分は少ないと考えていて内心どうしようか焦る気持ちはあった。だが、無理強いをして「継続」出来ないなら、まずは出来るところから「継続」することが大事という点に優先順位をつけた。当然実際学習時間が少なければ実現するまでの期間も長くなる。実際学習時間を目標達成に見合ったものにする工夫も必要だ。もしくは出来る勉強時間に合わせて目標実現までの期間を延長するという選択肢もある。実際にやった試みとして決めてもらった学習時間とは違う別枠でという流れで少し勉強時間を増やそうという工夫もしてみたが、それはまた後日機会があればお話ししようと思います。

 最後に注意点を1つ。学習計画を行う上で日程を決定した後の日次管理は負担にならない程度にしてほしい。要はログ(記録)を残すということである。勉強は時間ではなく分量ですべきだが、慣れないうちは時間でもいいと思っている。
1.決めたことが守れているか。
2.実際に勉強した時間帯はどこか。
3.時間内で何を学習したか。
こうした学習計画の内容を見直す上でログは役に立つ。
また、以下のような理由でもログはおススメと言える。
1.試験日当日に自分を奮い立たせる(これだけ勉強したから大丈夫!)
2.目標実現に対して費やした労力・時間をみる(自分の能力を数値化)
※短期間で成果を出した方の例として半年でUSCPAを取得しました。3カ月でTOEIC満点取りましたなどがある。大体そういったアピールで書籍になっているものには省いているものが多いが、転職時の面接でのプレゼンに使える強みとしてはかなり武器になると思う。ですので、是非アピールポイントのネタ帳にどうぞ。

 自発的に動ける方にお願いしたいこととして、学習開始前に学習法と学習計画は早めに時間をかけずに調べて決めて欲しいです。実際にK君が本格的な学習を開始するのに1か月かかりました。私は本人の適性や性格を把握するために必要な時間だったと考えています。しかし自発的に能動的に動ける人は1~2週間で情報収集と計画の策定は出来ると考えているため、自分の適性に合わせて動ける人は早めに動くとその分勉強時間が捻出できます。

 今すぐでもTOEIC受験のための勉強を始めたいという方に次回は実際に確定した学習内容について触れます。待てない方のために参考文献と用意すべき教材を事前に伝えておきます。

■参考文献
①春名久史著『40歳オーバーでニート状態だったぼくが初めてTOEICを受けていきなり930点取って人生を劇的に変えた、効果絶大な英語勉強法』扶桑社2018年
https://amzn.to/3yM93v0
■教材
▼TOEIC公式問題集
①公式TOEIC Listening & Reading 問題集 8 大型本 – 2021/10/15
https://amzn.to/3RuWpJp
②公式TOEIC Listening & Reading 問題集 7 大型本 – 2020/12/4
https://amzn.to/3aEtSQK 
③公式TOEIC Listening & Reading 問題集 6 大型本 – 2020/2/21
https://amzn.to/3P5r2mY 
④公式TOEIC Listening & Reading 問題集 5 大型本 – 2019/6/21
https://amzn.to/3NZwNBs 
⑤公式TOEIC Listening & Reading 問題集 4 大型本 – 2018/10/10
https://amzn.to/3c1vxAh 
⑥公式TOEIC Listening & Reading 問題集 3 大型本 – 2017/12/8
https://amzn.to/3axHPjy 
⑦公式TOEIC Listening & Reading 問題集2 大型本 – 2017/2/17
https://amzn.to/3yBZCxY 
⑧公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 1 大型本 – 2016/10/14
https://amzn.to/3uCwju7 
⑨公式TOEIC Listening & Reading 800+ 単行本 – 2021/12/2
https://amzn.to/3o1EtZ2 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?