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ウェッジウッドのアストバリーブラックでデミタスコーヒーを飲む
WEDGWOOD(ウェッジウッド)に関してはその昔、とても稀有なデミタスカップを保有していたことがあります。
ウェッジウッドのシリーズにかつて存在した「フェアリーランド」
日本では、テレビ東京の人気番組「開運!なんでも鑑定団」でも特集されたことがあるため、ご存知の方も多いはず。
女性デザイナーのデイジー・ジョーンズがイギリス古来の妖精物語をテーマにデザインした。ラスター彩というメタリックな光沢のある特殊な技法を使っている。綺麗な鮮やかな色を使っている
そこからベースデザインのみ派生させ、現代式のカップにそれが落とし込まれたドラゴンのデミタスカップが、数は多くありませんが現存しています。
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当時大学生だった自分はそれの希少性を認識しないまま(ショップの方もおそらく)7,000円程度でヤフオクにて購入し愛用していました。
無知とは恐ろしい…
ある時不注意で割ってしまい破棄したのですが、そのことを今でも後悔し、以降市場に同じものが流れてこないかずっと見ているのですが、結論10年近く、お目にかかれたことはありません。
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それからというもの、寝ても覚めてもウェッジウッドのことが気になってしまい、非常にこれは色々なことにも影響が出てくるためよろしくない…と考え、取り急ぎ物欲を抑えるためにとウェッジウッドの中でも最上級のラインナップ「アストバリーブラック」のデミタスカップを購入し愛用しています。
アストバリーブラックとは
そもそもアストバリーブラックとは、どのようなラインナップなのでしょうか。PRTIMES に250周年を記念し限定プレミアムセットが販売された際の説明文があるので、そちらからを確認してみましょう。
アストバリーは、1764年にウェッジウッドの創設者ジョサイア・ウェッジウッドがサラと結婚した特別な地。その地名を冠する「アストバリーブラック」は、ゴールドをたっぷり使い、8回の焼成を重ねて完成させる、贅沢なシリーズです。
職人の手によってひとつひとつ丁寧に施される、盛り上がった金彩(レイズドゴールド)の輝きと、ファイン ボーンチャイナの堅牢性は、末永く受け継ぐに相応しい逸品です。
通常陶器を製造する工程で2度焼成(主に素焼き・本焼き)が行われます。
やきもの作りの中で、焼成が一番重要な工程です。一般に素焼き、本焼き、上絵の焼き付けなどがあります。
一方、19世紀にヨーロッパのブルジョア階級の貴婦人や令嬢の間で流行した磁器製の人形・ビスクドールのように、6-7回当たり前のように焼成が製造工程でなされるものもあります。この違いが何を産むのでしょうか。
「二度焼き」を語源に持つ磁器製の人形の事です。実際には完成までに6~7回の焼成を繰り返します。人肌に近い質感の頭部と美しい衣装をまとった人形は、19世紀を中心に黄金時代を築き上げていきました。
一般に、焼成を繰り返し製造するメリットは次のとおりです。
シンプルな強度上昇
トラブル減少
独自性の高い表現実現
そもそも焼成とは、成形した粘土を高温の窯に入れ、加熱する工程で、高温加熱することでより安定した化合物となり、実用に耐えうる強度の陶磁器にする作業であるため、単純に何度も焼成すれば強度があがるわけではなく、焼成方法、焼成時間、焼成総カロリーにもよるのですが、焼成が繰り返されることで強度上昇が見込めます。
また素焼きは、粘土内の水分量を減らすことを目的としていますが、これを繰り返すことにより、釉薬(陶磁器の表面を覆うガラス質)ののりが良くなり、本焼きの際の粘土の収縮率が少なくなるため、釉薬が剥がれるトラブルが少なくなるなどのメリットがあります。
特にアストバリーブラックは、24Kの金彩装飾が施されるなど他の陶器に比べて特殊な装飾技術が必要とされます。釉薬が剥がれるトラブルがもたらすリスクも大きいため、何度も焼成することによりメリットも大きいわけです。
またそれぞれの焼成工程で色や質感を微調整することで、独自の表現を追求することが可能になるかもしれません。
例えば、焼成には「酸化焼成」「還元焼成」と主に2つの方法があり、焼き方によっても釉薬によっても、発色が大きく異なる場合などがあります。
そのような調整も焼成を繰り返す工程では可能となります。
また前述したとおり、アストバリーブラックには24Kの金彩装飾が施されていますが、これはレイズゴールドとも呼ばれる金彩で、1つ1つ丁寧に職人によって施されるものになります。
職人の手によってひとつひとつ丁寧に施される、盛り上がった金彩(レイズドゴールド)の輝きと、ファイン ボーンチャイナの堅牢性は、末永く受け継ぐに相応しい逸品です。
今回、自分が買ったのはデミタスカップです。
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一般にはアストバリーブラックは、ティーカップの方が有名かもしれません。もともとWEDGWOOD(ウェッジウッド)はイギリスの陶器メーカーで、イギリスは歴史的にも(東インド会社の頃から)紅茶とは切っては離せない関係性の国ですし、また日本では某アニメなどでも使用されたことがあるので、そういった意味でも馴染み深いかもしれません。
他ウェッジカップとの比較ですが、次のような特徴があります。
金彩に際立つような立体感がある
リッチ感のあるブラック
強固さを感じさせる質量感
こうして触れていると満足感はあり、所有欲は満たされます。
ただその一方で、破棄してしまったドラゴンのものに未練が一切ないかと言えば嘘になります。
きっと、ずーっとさがし求め続けるんでしょうね。
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