【ソーシャルワークのFileMakerカスタムアプリ入門3】 ソーシャルワーク記録システムの全体像①
はじめに
こんにちは。
クライエントにもっと寄り添うソーシャルワーク実践を増やしたい増井です。
前回は、対象となる方(ソーシャルワーカーでFileMaker初心者さん)、目指すゴール(カスタムアプリの自作!)、説明の展開の仕方(成果物のイメージを把握してから機能に焦点化)についてお話ししました。
今回の記事では、これから作成するソーシャルワーク記録システムの全体像(イメージ)を共有したいと思います。
「自分で作ること」に初めて取り組む場合、市販されているような見た目のソフトウェアがいきなり作れるわけではありません。その見た目の裏側、つまりそれらを後ろで支えている「構造」や「部品」の理解がどうしても必要になります。
そして、これらを頭で理解するだけでは「自作できる」ようになりません。「自分で作る」レベルに持っていくには、概念的な説明をただ聞くのではなく、実際に手を動かして頭と身体の両方で覚える必要があります。ひとつひとつ手を動かしていけば必ずできるので、焦らずに進みましょう。
成果物のイメージ
部品や構造の基本的な理解を獲得するために、成果物を段階に分けて作っていくことにします。
最初に作成するのは、「画面がたった1つのソーシャルワーク記録システム」です。ちょっと奇妙ですね。私もそう思います(笑)。カスタムアプリって、画面がいくつかあるのが普通ですよね。しかし、基礎固めの段階で複数画面を持ったシステムから入ってしまうと、説明がやや長く、複雑になってしまいます。そこで、基礎の部分を二つに分けて最初はこの1画面のシステム、次に複数画面に発展、というふうにしたいと思います。
最初の1画面システムの完成のイメージはこんな感じです。いかがですか?デザインはだいぶシンプルにしました。
ケースの基本情報、パーソナルコミュニティ※、利用制度、受診状況、経過記録、サマリー(終了時の状況)を一つのレイアウトに収めています。項目が1画面に収まらないので、縦にスクロールする形になっています。
経験の長い方はピンときたかもしれません。これは、少し古いですが、2006年に日本医療社会福祉協会(現、日本医療ソーシャルワーカー協会)が公開した『医療機関における社会福祉援助活動を促進するために ~医療ソーシャルワーカーを配置するにあたっての手引き~』の12~16ページにある記録様式をひな形として使っています。現在協会で出している「MANBO」も実はFileMakerで作成されたカスタムアプリなのですが、こちらは初心者がいきなり取り組むにはハードルが高いので、今回は参考にしていません。
おわりに
次回から、これを用いてカスタムアプリの作成に必要なことを、一つ一つ見ていきます。ここで基本を押さえ、それができたら一般的な複数の画面を持つアプリの作成に進みたいと思います。
ある程度複雑なものを作っている人でも必ず通った道があります。それは、今皆さんが立っている、基礎を焦らずしっかり体得するこの場所です。一歩一歩進みましょう。その先にゴールは見えていますから。
では、ゴールをイメージするために、もう一度しっかりながめておいて下さい。
1画面システムのダウンロードリンクです👇。(こちらはver.19で作成しています。2024年1月時点の最新バージョンでも問題なく動作します。)
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