『ドッグ・デイズ』短評

『ドッグ・デイズ』

作品は2001年発表のオーストリア映画で
監督はウルリヒ・ザイルド。この作品が初監督作品になる。 

この映画には幾人かの主要キャラがいる。
彼氏の暴力に悩む美女クラウディア。子どもを亡くして離婚した後も元妻の家に住む男。意味なくヒッチハイクを繰り返し、しきりに話し続けてドライバーを怒らせるアナ。さえない中年の警備システムのセールスマン・フルビィ。愛犬と暮らす頑固爺さん・ヴァルダー。基本的にはまるでなんの繋がりもない独立した話であるが、一つだけ共通点がある。天候(猛暑)である。

「ドッグ・デイズ」とはおおいぬ座のシリウスが天頂に輝く一年中で最も暑い日々のことだそうだ。要は猛暑で人間の本性・残虐性をあぶり出す、という内容だ。最初はわからなかったが徐々にテーマが見え、この発想に驚いた。

猛暑という空間の中グランドホテル形式である。その合間合間にハッとするような美しく、エロチックなカットを入れている。

評価:★★★★

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