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唱歌童謡史講座

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#音楽史

【無料公開】日本の唱歌童謡史講座「第3章 日本国産の唱歌創出、文部省唱歌の時代」

【無料公開】日本の唱歌童謡史講座「第3章 日本国産の唱歌創出、文部省唱歌の時代」

第3章 日本国産の唱歌創出、文部省唱歌の時代

ここまでの解説で、明治維新後の日本は音楽に関しても西洋文明を取り入れることに努力したが、日本の文化を捨てて取り入れたのでは無く、日本人の得意とする「外国のものを取り入れながら自分たちの文化に取り込んでしまう」ということを、試行錯誤しながらも進めてきた、ということが理解してもらえたと思います。

音楽取調掛の伊沢修二は音楽教育制度を更に発展させるために

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【無料公開】日本の唱歌童謡史講座「第2章 唱歌と君が代の物語

【無料公開】日本の唱歌童謡史講座「第2章 唱歌と君が代の物語

第2章 唱歌と君が代の物語

第1章では音楽取調掛創設者で日本の西洋式音楽教育の道を切り開いた伊沢修二という人物のエピソードを中心に、日本における音楽の文明開化について解説をしましたが、日本音楽の欧米化近代化は音楽教育の現場以外でも行われたところがあります。それはどこかというと「外交と軍楽隊」の現場です。

この講座では唱歌童謡を中心に日本音楽の近代化、現在私たちが楽しんでいる日常の音楽、即ち歌謡

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【無料公開】日本の唱歌童謡史講座「はじめに」「第1章 音楽の文明開化・伊沢修二と音楽取調掛の物語」

【無料公開】日本の唱歌童謡史講座「はじめに」「第1章 音楽の文明開化・伊沢修二と音楽取調掛の物語」

はじめに

日本での音楽は、江戸時代までに培われてきた伝統的な邦楽(雅楽、声明などの仏教音楽、神楽、能楽、浄瑠璃、長唄などの唄もの、民謡、詩吟、筝曲などの器楽)などがまずありました。

そこに明治維新文明開化という大改革が押し寄せて、西洋文明のドレミファソラシドの音楽が輸入され、日本人の感性によってそれが日本の文化と融合して新しく創造されてきたものが加わって形作られて来ました。

世界の近代史は弱

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