完了形と未完了形

英語やドイツ語などのゲルマン語、フランス語をはじめとするロマンス語はどれも現在形や過去形、未来形などをもつ。

一方で時制にそのような単純な区別がない言語もある。たとえばアラビア語では完了形と未完了形というアスペクト(相)がベースにあり、それを利用して時制を表すのだ。アスペクトについては最後に説明をつけた。

完了形とは、「完了したすべての動作」を表す。未完了形はそれ以外の動作を表す。どちらも、あくまでアスペクトに過ぎず、これだけでは時間は示せない。

アラビア語の時制の表し方を以下に簡単に示しておく。過去は完了形で表す。現在は、現在完了であれば完了形、単純な現在であれば未完了形で表す。未来は未完了形に接頭辞をつけて表すのである。

時制の表し方というのは言語によって様々だ。たとえば、ドイツ語では未来のことを表すのに現在形で表すことができる。不思議だ。

なお、アスペクトとは言語学の用語であり「相」と同義である。相には、継続相や完了相、進行相などがあり動作の段階や様子を表す。

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