現代英語に残るガルヴァーニ

さて、前回に引き続き固有名詞が動詞になってしまったシリーズだ。

ガルヴァーニGalvaniという人をご存知だろうか。彼は18世紀のイタリアの医者兼物理学者だ。高校で生物を勉強した人はおそらくこの名前を聞いたことがあると思う。

そう。彼は、二種類の異なる金属をカエルの脚に触れさせると筋肉が収縮することに気付いた人なのだ。ここから、筋肉と電気の関係が明らかになったのである。

本題に入る。英語にはGalvaniに由来するgalvanizeという動詞がある。これはもともと「電気を与えて刺激する」という意味をもつのだが、そこから派生して「まるで電気を与えたかのように元気づけて行動させる」という意味もある。ややこしいが、to stimulate or excite as if by an electric shockということだ。以下例文である。

The urgency of his voice galvanized us all into action.
彼の声の切迫した様子が私たちみんなを行動へと駆り立てた。

この単語について面白いところは、もともと専門用語だったのが派生して一般的に使われるようになったことだと思う。まさか、200年後の世界で自分の名前に由来する単語が広く使われているとはGalvaniさんは夢にも思わなかっただろう。

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