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T社強さの一例

1.N2パージ制御

タイトルの話をする前に事前情報として半導体製造技術としてこの10年くらいのトレンドとして、工程間移動用に使用されウェーハ収納用密閉容器であるFOUP(Front Opening Unified Pod)内を窒素置換(N2パージ)することが多くなってるポヨ。目的はいくつかありますがザックリ言うとウェーハ寿命を延ばすこと。プロセスAから次のプロセスBまでにはQ-timeという制限時間が設定されており、微細化が進んだことでこのQ-timeがどんどん短くなってるポヨ。ウェーハ上のデバイスがFOUP内の酸素や水分と結びつき変化することを、FOUP内をN2パージすることで防止しQ-timeを伸ばすのが目的ポヨ。代表的なN2パージ装置を参考例として以下にあげるポヨ

1.TDKは自社のCD/DVD製造工程用としてN2パージ経験が豊富であり、その技術を業界トップシェアのロードポートに採用しているし、EFEMへの展開も行っているポヨ 

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2.神戸製鋼の電機部門であった神鋼電機、今はシンフォニアテクノロジーと名前を変えてTDKと並ぶロードポートシェアを持っているポヨ。シンフォニアは縦型拡散炉を内製していたこともあり、N2パージ技術に優れているポヨ

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3.備後が誇るローツェもN2パージ技術を活用したBWS(Bare Wafer Stocker)がデバイスメーカで多く採用されているポヨ。これはウェーハをFOUP内で保管するのではなく、FOUPから取出しN2環境下で保管するものポヨ

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2.T社のAMCコントロール

T社はAMC(Airborne Molecular Contamination)に関して思い切った対応をしているポヨ。華景電通(BRILLIAN)社の公開資料を見るとT社に納入された製造装置を独自に改造しているように見えるポヨ。

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これの何が凄いかと言うと、Lam, TEL, AMAT, KLA, Screen等の製造装置に改造加えることは、装置保証やらFOUP開閉精度やらで嫌がられることが多いのですが、これだけ実施出来るのは本当にすごいポヨ

で本題ですが、冒頭で触れたようにTDKやシンフォニア等のN2パージ技術を使わずに華景電通に全て任せたのは、共通の物差し(N2流量、酸素濃度等)で管理が出来ることポヨ

これはロードポートだけではなく、バッファステーション、OHB等も共通で管理できると言うことで、T社の驚異的な歩留まりの一因と思っているポヨ

3.最後に

華景電通HQ近くには竹南啤酒廠があるので出来たてビールが呑めるポヨ♪


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