Vitamin D (Hey You) 【曲解説】

なかなか寝付けない夜に、ふと自分の曲 「Vitamin D (Hey You)」を聴いてしまったが最後。

僕の脳内はあの夏に、再びフラッシュバックしてしまう。

これでもう何回目だろう?

自分の曲に、心を毎回これだけ揺さぶられるのは。

一体なぜなのか?

この曲はまず音楽を先に作って、歌詞はMVを撮り始めてから本格的に書き始めた。

(余談だが、今どこぞのクソ親父が外で一生くしゃみをしている。うるさい。道草食ってないでとっとと家に帰りたまえ。)

邪魔が入ったが本題に戻ろう。

この曲はテレキャスを弾きながら、自然と浮かび上がってくるメロディーを口ずさみながら大体の枠組みを作った。

弾きながら、歌いながら。

自分がよくやる作曲法である。

かなりとんとん拍子で演奏もアレンジも出来て、スムーズなレコーディングだった。

この時期は「ガチな撮影機材でガチなミュージックビデオを久しぶりに撮ってみたい」という気持ちがMAXだった。

カメラはソニーのa7cで、レンズは覚えている範囲で24mm、85mm(多分)、他にも使ったと思うが覚えていない。思い出したらその時はこの投稿のこの部分を編集しよう。

あとはGoPro、iPhone 12を一瞬、insta360のOne Xも使った。

MVの撮影に向けて絵コンテも描いた。ガチのやつだ。ワンシーンワンシーンを脳内で想像して、iPadに描きまくった。

久しぶりに「活きている」と感じる事ができた瞬間で、MVを撮ろうと決めた時から次々とアイデアがわきまくり、ワクワクが止まらなかったのを記憶している。

久しぶりに「明日を楽しみにする意味」を見出せた瞬間である。

窓から差し込む日差しになんとなく照らされながら、「夏」と「海」をイメージして曲を作っていった。

MVを撮影しつつ、作詞をしつつ、あーだこーだでいよいよ曲が完成した。

この曲には思い出が詰まりすぎていて、聴く前・観る前には少々心の準備が必要になる夜がある。心がノスタルジーを求めている瞬間に聴いてしまうと、その当時の世界観にどっぷりハマってしまうのだ。

なぜVitamin Dを聴く度にこれほどまでに様々な感情が蘇るのか。

その答えは、この曲を制作していた自分の人生のタイミングにある。

アップビートで楽しげなサウンドだが、この頃も自分の人生は絶望的だった。

様々な裏切りを経験し、明日への希望ややりがいを失っていた時期。

そんなどん底から水面を目指して必死にもがいてやろうとひたすら自分にできる事を頑張っていた。

しかし人生というものは残酷で、こんなどん底な状態さえも遥か凌ぐ最悪な事態が俺の知らないところで起きていた。今までとは比べ物にならないほど、俺の身と心が傷つけられる出来事が未来に待ち受けているのだが、この頃の俺はまだそれを知らない。

そんな中、Vitamin Dのようなキラキラと輝きを放つ奇跡のような曲とミュージックビデオを完成させる事ができた事実を振り返る度に俺は感動し、その頃の苦しみを思い出しては悲しみと悔しさを感じ、その夏の感覚が蘇っては胸がぎゅっと締め付けられる。

自分の作る曲は自分にとって奇跡そのものであり、Vitamin Dは中でも特にその頃の思い出や情景が濃く浮かび上がってくる。

歌詞もパーソナルなものが多く、そのセンチメンタルな思い出を忘れないために本能がそれを曲に刻もうと思って出来上がったものなのかもしれない。

MVと曲の試聴・購入は以下↓


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