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成仏出来ない厄介オタクが自毒に耐えかねて一年ぶりに推し香水をオーダーした話

概ねタイトル通りなんですが 前回の怪文書

まあ、ここでね、懐疑的厄介オタクから完全に寝がえりましてね
それでも所謂「概念グッズ」的なものにはさほど強い興味はないまま、そんなに頻繁に買ったりするわけでもなかったんですが
一年ぶりに「人様による推しと推しカプの概念嗅ぎてえ……」という欲がピークに達し、
この時と同じScentlyさんで作っていただきました

昨年作っていただいた推しは
拳闘やっててバイクに乗ってて強くて孤独で優しい人なんですが、
今回はその彼が名前や仲間を得る前の状態(同一人物の過去)というオーダーでお願いしています

名前や仲間を得る前…


・「名前なんて首輪と同じ」と言い、名前がありません 「名無し」「野良犬」と呼ばれています
・戸籍と身寄りがなく出生は不明です 親しい人間もおそらくいません
・秋生まれという事のみ判明しています
・ストリートファイトで日銭を稼ぎ、家を持たずバイクで賭場を渡り歩いて暮らしています
・大きく古いバイクのみが相棒です

第一印象:
・粗野で粗暴 親しみやすくはない感じ
・身寄りのない人間特有の「実年齢以上の老成」と「幼さ」が同居しています

まわりが受ける性格:
・「野良犬」と呼ばれる通り、懐かず群れない、素性の見えない男です
・誰かに興味を持たれることもない、スラムで生きるその他大勢のうちの一人です

まわりからは見えにくい性格:
・悲観のない孤独を抱えています
・「持たない」現状への疑問や不満はあまり持っていません
・不満はないものの、常に「何か」を渇望し燻っています
・ヒトよりは獣に近い、本能的・野性的な人ですが、自分の思考をアウトプットする習慣がないだけで現実はしっかりと捉え、考えています
・唯一の相棒であるバイクに対してのみ執着し、スピードを出したり乱暴に扱ったりすることで感情の排出の代替にし、甘えて依存しています 本人にその自覚はありません
・バイクで荒野を走る事、ストリートファイトで殴ったり殴られたりする事にのみ生を感じています
・親しい人間がなく作ろうともせず、「物言わぬバイクと世界にふたりぼっち」かつそこにさみしさは感じていない、という印象です
・バイクは「傍らにいて当たり前」なので大事にしません
 自分に無頓着な人ですが、それと同じく自分の手足のように当たり前に乱暴に扱います


↑実際送ったオーダーシートの一部
なんか、こんな人です 一部(一部?)幻覚が含まれます
また、私は「唯一の相棒であるバイク」と推しの関係性に夢を見ているので、
その辺前回より幻覚多めに盛った記入でオーダーしました
要するに人間と無機物の相棒関係というか、デキてるというか、そうじゃないというかなんというか

そんな何も知らぬ人からすれば困惑しかない、しかもまあまあ長文の幻覚に対する、
以下、答え合わせです

※主観とこじつけを多大に含みます
※レシピには「etc」と記載あり、以下香料以外ももちろん含まれています

トップノート:レザー、スエード

なんかもう、あ~ね、それね!!わかる!!!!って感じしかない
使い込まれたシートと汚れた革ジャン、けもののにおい 甘さがない 完全に人を選ぶ香り
レザーもスエードもわりと重め・甘めの香りと合わせられる事が多くて、そうすると格式高くて男性的な香りになるんですが、
革×革ってなんかもう振り切った調香で潔(いさぎよ)!!って思いました

ミドルノート:パチュリ、ベチバー、ウード

パチュリは墨汁みたいな湿った土のような、冷涼で清々しい孤独を感じる香りです
前回分のラストノートにも入ってて、
アンバーと合わせる事で「パチュリの孤独をアンバーで抱き込んで緩和させるような」、そういうレシピでした

ベチバーはイネ科の植物で、製油は葉や花からじゃなく「根」から取ります
根が何メートルにもなる上、踏まれたり多少の霜くらいはモノともしない強い多年草
パチュリと香りが似てるんだけど、パチュリより土っぽいというかこっちのほうが生命力を感じる気がします

ウードも香木で、上記ふたつよりは甘さがすこしある ちょっとシガリロみたいな…重くて格式高くてちょっと燻したみたいなそういう香り

これは他サイトで見つけたウードの説明なんですが

アガーウッドの木片は、特定の腐朽菌によって分解されていく過程で、死 (腐敗) に対する抵抗として樹脂を作り出します。これがウードとなります。
つまりウードは、死へのベクトルに向かい合う樹脂の香りなのです。

https://fashionpost.jp/select/191600

ミドルに共通してるのは、どれも地に根をはるものの香り、かつけっこう人を選ぶ香りってところ
野良犬も鉄の塊のバイクも、空を飛ぶことはできないんですよ
地面に這いつくばるように立つ、進む、踏まれてもしぶとく力強くふたりぼっちで生きてる
生きてるけど、死ぬことはいつも隣り合わせである あしたの飯がどうなるかも、なんなら生きてるかどうかもわからない
そんな獣みたいな生き方に抗いたい、ってどっかで思ってる

ってこと???????ってことだと思う
流れとして完璧すぎる 顔覆ってしまいました

ここまでで大分野良犬だし、
なんというかほんと、硬派というかストイックというか 誰かに寄り添う気も慣れ合う気もない、みたいな確固たる意志
触れてくれるなと主張する使い込まれて汚れた刃物みたいな、そういう流れだな…と思います

ラストノート:バニラ、アニマリック

(アニマリックの詳細は書かれておらず/ムスクを強めに感じました)

トップ・ミドルとあんだけストイックな調香しといて最後にバニラ使う!!?????!?
すごいビックリした 今回は香り嗅ぐ前にレシピ見たんですけど、バニラ!!????って声出た
獣だから当たり前に孤独で大きく古い物言わぬ鉄の塊だけを従えて、ふれあいを欲する事はない
そんな野良犬みたいな男が見せないように隠し持ってる甘さとか弱さとか 心の奥底の柔いとこ、それじゃん そういうやつじゃん!??って思いました

でさ、レシピと解釈レター見て下さいよ

「記憶に強く残る印象的なバニラ」
「バニラは非常に長いツタを持ち、樹木に絡みつきながら成長する」

???????????????
離すものかと不器用に絡みつけた執着が菓子のような甘い香り

恋 じゃん!!!!!!!

いやいやいや
デキてんじゃんこれ 甘くて苦い恋心じゃないですか
何!!!??????野良犬だけじゃないじゃん
ちゃんとCPになってんじゃん

ヤバくない!??????????????????


ここで脳が飽和してもうダメだ、無理だって思ってランニング行きました(深夜27時頃)
1時間半くらい走って走って、とりあえず強制的に「無」になって寝ました
耐えられなかった

前回分はね
ガソリンみたいなまっすぐで甘くないトップからかわいい花のミドル、寺系孤高のラストって流れで 名前を得てからとその後の性根の孤独、ライフゴーズオン て感じの調香でした 推しの人生が確かにそこにあった
それに比べると今回はもっと獣に近くて、ヒトになる前の頑なさとか実年齢らしい幼稚さとか 多分本人がそんなに自覚のない甘さや執着、
そういう…多分、執着を向けられてる相手(バイク)にしか見せてないところを覗き見るような、そういうちょっと罪深いレシピで…

ていうか一方的で拙くて、支配欲にも似た恋慕でした
そういうレシピでした
ハ~ 今これまとめてても心臓痛いな なんで私あのふたりの関係性こんな形で覗き見してるんだろう

欲を見てるのって私の身勝手でしかないんですが、でもそういう贔屓目抜きにして 彼がずっと一台のバイクに執着しつづけて、結果最後まで一緒にいる、ってのは公式設定なんですよね、(よね???)
たださ、対無機物カプ まあ一般的超人気の組み合わせではないじゃないですか、そこが枷になるとかは全くないにせよ ある程度の「素養・素質」がないと、形にするの難しいとは思うんですよ

プロってすごいなって思った
いただいた香りは、ちゃんと「ふたり」だった 世界にふたりぼっちの彼らだった
今回もしっかり物語があった
メチャクチャ脳を使うやりとりだし(少なくとも私は)、今回もとてもじゃないが身に着ける事は出来ない大変なものを作っていただいたな…という感じですが 大事に嗅ぎます
あと多分またオーダーします
ありがとうございました

助かりてえ 合掌

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