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レインボーベイビー

息子が今日で2歳。
彼が生まれた時に「レインボーベイビーね。」
と友人に言われた事がある。

レインボーベイビーとは
流産をしてしまった後に
生まれてきた子の事を言うそうだ。

カナダから
夫の故郷のイタリアへ帰郷していた時
40度近い高熱を出した数日後に

生理とはまた違う出血があった。

妊娠検査薬を買ってきてもらい
検査したら

限りなく薄〜い
陽性の線。

ポジティブな私は
少しの不安もあるものの

「妊娠した!
妊娠初期って血が出る事あるし大丈夫。」

と浮かれていた。

しかし、事態は急変する。

その日の夜
イタリアへ行ったら必ず行く
大好きなピッツェリアで
好みのピザを注文すると

お腹にものすごい激痛が。
お腹を下したようになり
トイレから出れなくなる。

大量の出血。

ぬぐってもぬぐっても
ドロリと出てくる。

出てくるたびに
ぐぐぐ〜とお腹が痛む

しかも
イタリアの田舎のトイレは
ボットン便所に近く
しゃがんでいる体制なのも辛い。

やっとトイレから出て
ピザはど根性で食べ
帰ろうとすると

「病院へ行こう。」と夫が言い出した。

私は普段
もし腹痛になっても
横になれば数時間で治るので

「大丈夫。寝れば翌日治るから。」
と伝えたが、赤ちゃんの事もあるし
娘は祖父母にお願いして
やはり夫と病院へ行く事に。

着いてから尿検査を済ませると
奥の部屋へ呼ばれた。
「妊娠はしていませんよ。」と
告げられた。

「でも、万が一の為に血液検査はしますね。
結果が出るまでお待ち下さい。」
といわれ採血をしてもらった。
「血管が見えにくいわね」
と手首にされたのがかなり痛かったが
腹痛はもう大丈夫になっていた。

妊娠、していなかったなんて事、ある?

ショックを受けていたら
数時間後にまた奥の部屋へ呼ばれた。

「妊娠はしていたみたいなの。
ただ、もう妊娠していないわ。」

なんとなく分かっていたけれど
認めたくなくて目を背けていた部分を
目の当たりにした。

赤ちゃんは、もう生まれてはこれないのだ。

念の為に他にも検査する事になり
入院となった。

おそらく婦人科なのだろうと言う
上の階へ案内される。

上の階へ行って、念のためにと
検査のためと下を脱ぎ
台の上に乗り
股を広げて
中に突っ込まれる
子宮がん検診のような事をした。

得意な人はいないと思うが
言語がわからない為
夫の通訳があっても
がん検診よりも、不安や不快感があった。

スキンヘッドのおしゃれメガネをした
先生と夫が話している内容は
よくわからなかったが
「このまま手術とかするの?」
と聞くと
「もう体内は、きれいになっていて
手術はしないよ。」
と説明された。

後から聞く話だが
一度堕ろしてしまうと
その後の子宮がキレイな状態で
妊娠もしやすいそう。

イタリアで手術となる事が不安だったので
しなくて良いと聞いて
あからさまに「ホッ」とすると
看護師さんが優しく微笑んだ。

「あらあら、下の階で
こんな場所から採血されたのね。
痛かったでしょう。」

と病院の個室へ案内してくれた。

つづく。

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