5/4

街の景色は変わってしまったが、あの頃と同じ陽の光が差していて、何も変わっていなかった。

普段感じることのない風の匂いで昔を思い出し、かつて幼かった頃の俺を目の前に走らせた。
今よりも圧倒的に毎日毎日を信じていた俺に羨望と若干の苛立ちを感じながら、今日も深く息を吸い込んでポンプのように吐き出す。

学校からの帰り道、受験期だったが家に帰ると受験勉強が待っているため,3時間くらい十字路でくだらない話をして帰る時間をできる限り長くした秋を思い出した.あれは今考えると青春だったのだろうと思う.男子中学生3人組の十字路は,華々しくは全く無かったが良い時間だったと思う.あの時間を過ごした人間にしか生きることができない人生があると思っている.なんてことを初夏の光の中の変わっていった街をみて思い出した.


よろしければサポートお願い致します.創作活動は完全自主制作のため,こういった優しさは本当に嬉しいですし,これによって長く続けられます.いただいたサポートは作品作りに活用いたします.よろしくおねがいいたします.