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アラフィフの転職活動のリアル⑥

長い1週間だった。
自信のないことを待つのはとても長い。
なんなら、ダメだった場合、またイチからやり直しかと思うと、結果の連絡を待つ気持ちがさらに重くなった。

2社の結果を待つ間に、履歴書などを送っていた別の2つの会社からの封筒が郵便受けに入っていた。
2社とも、私が送った履歴書が同封してあり、
この度はご意向に沿うことができませんでした、という内容の書類が一枚入っていた。
面接もしてもらえなかったわけだ。
私は事務職にばかり応募していたから、
たしかに地元の企業からすれば、総務経験もない歳だけとった人(私)よりも、
5歳でも10歳でも若くて、少しでも総務の経験がある人を採りたいだろう。
普通に考えればわかる。
それくらい、私は何のスキルも無いのだ。
今思えば、よくそんな状況で後も決めずにパートを辞め、正社員になるぞ、なんて思ったものだ。

それにしてもやはり、断られるのは何度経験してもつらい。
失恋みたいなものだ。
あなたが悪いわけじゃないけど、私にはあなたは必要ないの、そんな感じ。
就職氷河期の新卒の就職活動時代に、約50社履歴書を送って、試験を受けられたのは10社も無かった経験があっても、やっぱりつらい。

面接を受けた2社の結果を待つ間に、私の心はどんどん沈んでいった。
そしてとうとう最初に受けた会社から電話がかかってきた。
あの、穏やかに話す社長さん。

今回は申し訳ありませんが、採用を見送ることにしました。理由は、管理職の即戦力になる人を探しているためです。
先日は面接に足を運んでくださってありがとうございました。これからのご活躍をお祈りしています。

とっても残念だったけど、とても丁寧に話してくださって、改めて、自分に採用されるスキルがあったら良かったのにな、と思った。
縁がなかったけれども、今でもその会社の近くを通ると、あれから良い方が採用されただろうか、と思う。
余計なお世話だが。
でも、採用にかかわる人の印象って大事だなと思う。
この約2年後に、私はとってもひどい面接を受けることになるのだが、その会社のことは思い出すだけで気分が悪い。そんなものだ。

さて、とりあえず応募した4社のうち3社落ちてしまった。
残るは1社のみ。
1週間後と言われていたが、1週間たっても連絡は無かった。
もうだめかな。多分ダメだ。
ああ、またハローワーク行って、求人サイトでも検索して一からやり直しだ。
でも、毎日暑いしなんだか疲れちゃったな。でも働かないわけにはいかないな。
そんなことをグルグル考えながら過ごしていた。
一応妻でも母でもあるので日々はあっという間に過ぎる。

そして面接から10日が経った頃、面接をした最後の1社から電話が掛かってきた。

連絡が遅くなりましたが。
その後、ご自身のお気持ちはいかがですか。
ジョウビタキさんがよろしければ、ぜひ採用させていただきたいです。

ありがとうございます。よろしくお願いします。
私はすぐにそう答えた。
もう履歴書書かなくていいんだ、いちばん最初に浮かんだのが、そのことだった。




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