儲けたければ「退屈な投資」をしなさい
はじめに
インデックス投資は、低コストで市場全体の成長を享受できる非常に合理的な投資手法として、多くの投資家に支持されています。
私自身、これまで約15年間コツコツとインデックス投資を続けた結果、個人資産5000万円を築くことができました。
とはいえ、この投資法にも思わぬ「罠」があります。「退屈さ」です。この退屈さが、投資家を誤った行動に駆り立て、せっかくの成果を損ねる原因となることが少なくありません。
本記事では、多くの投資の賢人たちがインデックス投資を推しているのにも関わらず、余計で愚かな投資行動をして、損をしてしまうのか?
その理由を理解することで、”退屈な投資”に向き合うマインドセットを作るためのコツについて考えていきます。
なぜインデックス投資は「退屈」なのか?
インデックス投資は市場全体に分散して投資を行うため、個別株のような劇的な値動きや大きな話題を提供してくれるわけではありません。
たとえば、ハイテク株が急上昇しているニュースを目にしたり、「○○社の株価が3倍になった」という話を聞いたりすると、インデックス投資の地味さが際立ちます。
特に、短期間で大きな成果を求めがちな人にとって、インデックス投資のリターンは「遅い」「物足りない」と感じられるかもしれません。しかし、これはインデックス投資の本質を見誤った考え方です。この退屈さこそが、長期的な安定性をもたらしているのです。
「退屈さ」が招く愚かな行動
退屈さに耐えられない投資家は、しばしば以下のような愚かな行動に走りがちです。具体例を見てみましょう。
市場タイミングを狙う
「今は市場が高すぎるから売ろう」「下がったら買おう」といった行動は、プロでも成功率が低いとされています。
まず第一に、その参入タイミングが最適であるというあなたの判断は、あなたが得た偏った情報によって行ったもので、それらは既に市場に織り込まれている確率が高いです。
さらに、株の売買を行うことで手数料が発生します。この手数料を差し引いて、市場の成長率を上回ることは至難の業であるからです。
市場タイミングを狙って、株式を売買することは、世界中で熾烈な競争を繰り広げているアクティブファンドと戦うことと同義です。
個人投資家がアクティブファンドを勝てるか?と言われると、多くの方が「難しそう」と思います。市場タイミングを狙って、株式を売買することはそれをしているのです。
そういうわけで、市場を出たり入ったりすることで、リターンを大きく損ねる結果に繋がります。
アクティブファンドや個別株に転向する
「インデックスでは物足りない」と感じ、短期で大きな利益を狙う投資に走る人がいます。
確かに、アクティブファンドや個別株は短期的に見るとインデックスを上回るリターンを出すこともあります。しかし、そのようなケースは一時的なものであり、長期的には市場平均に勝ち続けることは非常に難しいというのがデータで明らかになっています。
例えば、アクティブファンドのパフォーマンスを調査した結果では、10年以上の長期でインデックスを上回り続けるファンドは全体の数%に過ぎないとされています。さらに、過去に市場を上回ったファンドが将来も引き続き良好な成績を維持する確率は極めて低いのです。つまり、アクティブファンドを選ぶ際には、どのファンドが長期で優れた成績を出し続けるかを予測しなければならず、これ自体がギャンブルに近い行為といえます。
個別株についても同様です。一部の個別株が爆発的に成長することは確かに魅力的ですが、同時に「どの株が将来値上がりするか」を正確に予測することはプロでも困難です。むしろ、特定の個別株に集中投資することでリスクが高まり、予想に反して株価が下がった場合には資産全体が大きく減少するリスクを負うことになります。
長期的な資産形成を目指すのであれば、アクティブファンドや個別株ではなく、シンプルで広範囲に分散されたインデックス投資の方が成功確率が高いことをデータが裏付けています。大きな利益を狙いたいという気持ちは理解できますが、実際には「インデックス投資が一番確実で着実な道」であることを知っておくべきです。
過度な売買を繰り返す
退屈さを感じた投資家が「何か行動しなければ」と思い、頻繁に売買を繰り返すことがあります。
一見すると、これらの売買は「資産を効率的に運用するための工夫」のように思えるかもしれません。しかし、実際にはこの行動が投資の成功を妨げる大きな要因となることが多いのです。
頻繁な売買には、まず取引手数料の増加というデメリットがあります。特に、証券会社を通じた取引では、売買のたびに少額の手数料が発生します。これが積み重なると、投資全体のコストが大幅に増え、長期的なリターンを大きく削る原因になります。
手数料はコストである。私もこの言葉を常に念頭に置いて、取引をしています。
さらに、売買による利益が発生した場合、短期的にはキャピタルゲイン税が課されます。特に日本では、売却益の約20%が税金として差し引かれるため、せっかく得た利益が目減りしてしまうのです。
例えば、100万円の利益を得たとしても、実際に手元に残るのは80万円程度に過ぎません。こうした税負担は、頻繁な売買を繰り返すほど増加し、結果的に資産形成の効率を低下させます。
さらに問題なのは、頻繁な売買が投資家の心理に悪影響を及ぼすことです。相場の短期的な値動きに一喜一憂し、その時々の感情に流されて売買を行うことで、理性的な判断が損なわれます。その結果、高値で買って安値で売るという最悪の結果を招くことも少なくありません。
実際、米国の投資家を対象にした調査では、頻繁に売買を行う投資家ほど、ファンドの本来のリターンよりも低い成果を上げていることが明らかになっています。つまり、過剰な行動が、むしろリターンを損ねる要因になっているのです。
退屈さを感じても、それを紛らわせるために頻繁に売買を繰り返すことは、手数料、税金、心理的負担の3つの面で損失を招きます。インデックス投資の成功の鍵は「何もしないこと」。市場に身を委ね、長期的な視点でじっくりと資産を育てることが、最終的には最も大きなリターンを生むのです。
私の場合
私自身も投資の初期段階では、インデックス投資が退屈に感じられることがありました。「もっと良い方法があるのではないか」と、個別株やテーマ型ETFに一時的に資金を移したこともあります。
しかし、その結果は散々でした。相場の変動に振り回されて売買のタイミングを誤り、手数料と税金の負担で資産の増加ペースが停滞しました。
その経験から学んだのは、「退屈さを受け入れることが成功の秘訣」であるということです。インデックス投資を地道に続け、追加資金を定期的に投入することで、現在では5000万円以上の資産を築くことができました。この成果は、退屈さを耐え抜いた先に得られる報酬だと感じています。
なぜ多くの人が愚かな行為をしてしまうのか?
人間には、心理的な「行動バイアス」があります。以下の要因が、退屈さから愚かな行動を引き起こします。
「何かしなければ」という焦り
投資は「アクション=成果」と考えがちですが、インデックス投資では「待つこと」が最良の戦略です。しかし、何もしないことへの不安から不必要な行動を取ってしまいます。
周囲の成功談への嫉妬
友人やネットで「○○株で数百万円儲けた」という話を聞くと、自分も同じような成功を求めてしまいます。
短期的な成果への執着
日々の値動きに一喜一憂し、短期的な利益を追求することで長期的なリターンを損ないます。
退屈さを克服するための具体策
投資以外の趣味を見つける
投資に過度にのめり込まず、趣味や自己投資で気を紛らわせることで、投資から距離を置き、冷静な判断を保つことができます。
長期の目標を設定する
「20年後に資産1億円」といった長期的な目標を持つことで、短期的な市場の変動に一喜一憂せず、落ち着いた投資姿勢を維持することができます。
自動積立設定を利用する
毎月一定額を自動的に投資する仕組みを活用することで、売買のタイミングに悩む必要がなくなり、相場に惑わされる時間や精神的な負担を軽減できます。
「人生の幸福」に集中する
家族や健康、人間関係など、お金では買えない幸せの要素に意識を向けることが重要です。あなたの人生は、投資の悩みで浪費するほど長くありません。自分や大切な人々がより幸せになる方法を考える時間を増やすことで、人生全体の満足度を高めることができ、それが結果として投資の成功を呼び込むのです。
とは言え、勉強し続けるべき
インデックス投資はシンプルで効果的な投資手法ですが、「放置していればすべて上手くいく」というわけではありません。最低限の金融知識や市場の基本的な仕組みを理解しておくことは、投資を成功させるために不可欠です。
たとえば、経済の動向や市場の仕組みを学ぶことで、急激な市場の変動に直面しても冷静でいられる自信がつきます。また、税制の変更や新しい投資商品の登場など、環境が変化する中で適切な判断を下すためにも、継続的な学びは重要です。
特に、インデックス投資の基本原則を改めて確認することで、「退屈さ」や「誘惑」によって間違った行動を取るリスクを減らせます。無理に深い専門知識を追い求める必要はありませんが、自分の資産を守り育てるために、適度な学びを習慣にしましょう。
まとめ
インデックス投資は、「退屈さ」という最大の罠を克服すれば、長期的に成功する可能性が高い投資手法です。その退屈さを「資産が静かに増えている証拠」と捉え、焦らず、惑わされず、地道に続けることが大切です。
私自身の経験からも、退屈さを受け入れることで初めて得られる恩恵があるものだと強く信じています。インデックス投資は、忍耐と冷静さを持つ者にのみ微笑む、最高の投資法なのです。
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