飛躍と未来のエース


2022年。
プロ3年目のシーズンが終わる。


シーズン
14登板 6勝 3敗 1完投 
77.1回を投げ、防御率 2.68

被安打 67
被本塁打 7
与四球 19
与死球 1
奪三振 60
失点 24 (自責 23)

26打数6安打1本塁打 打率.231



CS
中継ぎ3登板 6回 防御率 4.5

被安打 7
被本塁打 2
与四球 3
与死球 0
奪三振 5
失点 3 (自責3)

1打数1安打 打率1.000




3月に戻って過去の私にこの記録を伝えても絶対に信じないだろう。



去年、日本選手権に入る前辺りから恐らくフォームの試行錯誤を始め、
フェニックス、オフ、自主トレ、キャンプ
約5ヶ月かけて今の彼のフォームが完成した。

以前のnoteにも書いたがこの2年
投球フォームを課題に日々試行錯誤を繰り返し取り組んでいた。
"ショートアームにする"というのは多分大きな決断だったと思う。


キャンプ直前でコロナに罹り、約数ヶ月間固めてきたフォームは一からやり直し。
チームメイトからスタートも出遅れた。
でも、それが彼をまた何倍も大きくしたのだろう。

自分の力で這い上がってきた。
4月〜5月中旬まで2軍で新フォームを確かめていた。
広島、オリックス、ソフトバンクと3試合投げ防御率は1.45

3試合投げ終わったと同時に規定に乗っており、先発ピッチャーの中で圧倒的な防御率だった。
実際広島戦を観に行った時に素人の私ですら今までとの違いが分かった。



そして、チームメイトがコロナに感染。
ローテに空きができた。
どんな形だろうと巡って来たチャンスを物にしない訳にはいかない。
下で圧倒的な成績を残して上に呼ばれる。


この時は
どちらかが帰ってくると同時に入れ替わりなんだろうな、
ローテに定着は難しいかな、、、?
とずっと見てきていたのに彼を信じていなかった私を殴りたい。

もちろん、頑張ってほしい気持ちは山々だったが、直近で観たファームのvs広島戦の印象があったので"大丈夫かな?"の気持ちの方が大きかった。


 vs巨人戦
東京ドームで見たあの日の堂々としたピッチングは今でも鮮明におぼえている。

7回を投げ1失点。

観客数4万人を越えるあの東京ドームで、
あそこまで堂々としたピッチングが出来るのであれば、もう今後心配することはないかな?
そう思った。
やはり"高校BIG4"と称されるだけある。
恐らく、大舞台では自分の力以上の力を発揮することが出来るのだと思う。

何より、中学高校と日の丸を背負って戦ったと言う過去もきっと大きいだろう。

初回、ピンチでギアをあげて空振り三振。
あの時吠えた彼を見た時、自然と高校生のあの夏を思い出した。
"今日のピッチングはきっと大丈夫"
そう思うことが出来た。

プロ通算3打席目にして初ヒットが生まれた。

あの巨人打線をHQS
正直に言うと出来過ぎだ。
連勝中のチームの連勝を更に伸ばす事が出来た。

今シーズン初先発



1週間後の鬼門ナゴドでの登板

vs中日戦
立ち上がりもまずまず悪くなかった。
点を取ってもらった後も落ち着いて投げることが出来ていたと思う。
逆転の2ラン。
同級生で中学、高校と一緒に日の丸を背負った石川隆弥にホームランを打たれた。
6回を投げ切り6安打3失点1四球5奪三振でマウンドを降りることとなる。
だか気付けば野手の先輩が負けを消してくれ、中継ぎが9回まで0を重ね続けてくれたおかげで負け投手は消え、チームも勝つ事ができた。

母の日には少し悔しい投球になったかもしれない。
この悔しさをバネにきっと成長する。
そう確信した。

ナゴヤドーム



vsヤクルト戦
昨年 セリーグ唯一1軍で投げた相手に今年は圧倒的なピッチングを披露した。
ヤクルト打線を1失点に抑えプロ初完投。
おまけにプロ初ホームランまでついてきた。
初完投に初ホームラン。
打線もその頑張りに答えてくれて見事2勝目を記録した。


交流戦までで3試合に登板して2勝
正直な所、こんなにもショートアームがハマるとは思っていなかった。


そして交流戦に突入する。
交流戦では去年の借りをしっかり返すことが出来ただろう。

vs楽天戦
今シーズン初の甲子園のマウンド
去年とは違う入場制限の無くなった甲子園。
緊張してたのだろうか、この日は1点を取った直後に同点タイムリーを打たれ、ソロと2ラン
2本の被弾
普段戦うことのないバッターとの勝負はきっとこれからの彼の引き出しを増やすことにつながるだろう。
悔しい気持ちを背にマウンドを降りた。


今シーズン初甲子園




vs西武戦
西武打線には昨年のオープン戦に投げている。

ピンチでギアを上げる。
 要所要所で三振を取る。
5回までは西武打線を抑え込んでいた。
6回のマウンドに上がる。
打たれた直後に四球でランナーをためてしまいマウンドを降りることになってしまった。
結果的に中継ぎ陣が5点を守り切り3勝目をあげた。




vsソフトバンク
ソフトバンクとは去年の交流戦で戦っている。
去年とは違う西純矢を相手に見せる時がきた。

打たせて取る、三振を取る。
去年とは全く違う投球をしてた、
だからこそ4回の連打での一点が悔やまれる結果になってしまった。
7回1失点で負け投手。
打線の援護もなく悔しい2敗目となった。



コロナの関係でローテに空きが出来て巡ってきたチャンス。
なのに気付けばしっかり中6でローテを回っていた。
何度も言うが、開幕前の私に言っても信じないし、私だけではなく、多分誰も信じない。




交流戦明けは苦しい投球が続いていた。

阪神は投手王国。
下には1軍での登板機会を窺う先発ピッチャーが溢れている。
手術明けの才木が本来の力を出し、下で結果を出した。



約2ヶ月
守ってきたローテを降りる。

正直苦しい投球が続いていたし、
下には試したいピッチャーもいる。
仕方ない事だと思う。
きっとまたこの悔しさをバネに彼は這い上がってくると信じた。



7月はチームのコロナ状況や雨で登板が1回。
しかもその1回はお世辞でもいいとは言えなかった。
約3週間 リフレッシュを含む登板間隔を開け、また1軍登板に向け始動した。

8/2
ファームで約3週間ぶりの登板。
vs 中日戦 (ナゴヤドーム)
9回を投げ切り、4安打無失点1四球9奪三振
プロ初の完封
チームメイトが打ったホームランでの一点を見事守り抜き、投手戦をものにした。

その1週間後
京セラでのvsオリックス戦に登板
この日も9回を投げ切り、5安打2失点1四球8奪三振
2週連続の完投

ここまでファームでは6試合登板し、3完投
球数も110〜120の間に納め、しっかり投げ切ることが出来ていた。


ファーム 
2週連続完投



この2週間が大きなアピールとなり、
チームメイトのコロナと谷間で登板のチャンスがまた巡ってきた。
勿論、自分で掴み取ったチャンスなのは間違いない。


約2ヶ月ぶりの一軍マウンド。
vsヤクルト戦
5回までを6安打2失点にまとめ勝ち投手の権利を得てマウンドを降りる
4回まではしっかり3人で抑えていた。
5回の連打で2失点を失うも、チームが大量得点をとって援護してくれた。
見事4勝目を手にした。
チームの連敗を8で止めた。

そして1週間後
vs DeNA戦
要所要所でピンチを背負う場面もあったが、
気付けば6回無失点
打席では
2回にライト前ヒット、
3回にチームの連打での流れで初マルチ
複数安打は初めてだった。
投げては6回無失点、打っては3打数2安打。
この日打率が.300に乗った。
そしてこの日もチームの連敗を2で止め、5勝目を手にした。


中9での vs巨人戦
6回まではほぼ完璧に巨人打線を抑えていた。
それだけに、本当にあの一球の重さが辛い負けになった。
先頭打者を四球で出し、
相手もノーアウトで出たランナー。
ここは一点がどうしても欲しい場面。代走を送る。
ランナーを気にしながら投げた球は、、、、
上手くレフトスタンドに運ばれた。 
1打席目、2打席目に抑えていた相手だけにやっぱり悔しい。
それでもやはり相手もプロだ。
7回2安打2失点。
悔しい3敗目となった。

中6日での vs中日戦
今シーズン3登板しており、少し相性が良くない印象だった
5.2/3回を投げ5安打無失点
立ち上がりに少しピンチを招くがそこを乗り越え、5回までしっかり投げ切った
6回2アウト1,2塁で球数もあり、マウンドを降りた。
中継ぎが0点を守り切り、6勝目を手にした。

そして最後のチームの追い上げもあり、cs進出も決まった。



CSは中継ぎとして本当に大きくチームに貢献出来たと思う。
実際にいなかったらときっとファイナルには行けていなかっただろう。

1番印象に残っているのは、
vsDeNAの3戦目
6回裏 2アウトでマウンドに上がる。
牧にヒットを打たれてしまうが、
チームが逆転した直後、絶対にランナーを返すわけには行かない。
宮崎を打ち取りしっかりスコアボードに0を重ねた。
その次の回打席が回る。
エスコバーの155km/hの内角ストレートを上手くレフト前に運び二塁打。



投手が長打を打つのはCSでは3人目
途中出場で打つのは初
阪神の救援投手ではCS初安打
ポストシーズンでは60年ぶりの長打
と言うとんでもない記録を作ってしまった。笑笑

記事にはなっていなかったが、この試合でプロ発ホールドがついた。




ここまで書いた事はあくまで私が思った事をそのまま書いているので、前回も書いたが贔屓目しかないnoteという事を理解して欲しい。



この3年。
本当に試行錯誤しながら理想を追い求めてきた投球スタイル

同級生の活躍に喜んだり、焦ったり、、、
沢山のライバルがいる。
だからこそ、"負けたくない"その思いで進化をし続けてくれる。

進化し続ける姿をもっともっと見ていたいと思う。



来年は岡田新監督のもと
チームの"アレ"に大きく貢献してくれる事を願いたい。
2桁勝利を目標にもっともっと勝てるピッチングを見ていたい。
あわよくばヒットを、HRを打ってる姿をみたい。


そんな4年目のシーズンを楽しみに今後の飛躍を願いたい。

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