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国会審議の議事録 Part5 (結局DD54は、運賃値上げ反対の政争の具)

おはようございます、国会審議議事録5日目です。
今回の画像は、N氏のお写真をお借りしました。
改めてお礼申し上げます。

この章は、これで終わりとなりますが。
国鉄運賃値上げの反対表明のための政争の具にされた感は否めなかったDD54ですが、昭和51年の大幅運賃値上げさらにそれに続く毎年の国鉄運賃値上げはたしかに国民の負担を大きくさせるものでありその反面、地方にあっては自動車の普及を促進する結果となったのも事実でした。
 運賃値上げに反対、その為にも国鉄における無駄の排除を強く求めた内容でした。

 翌年以降は、ローカル線問題が再燃、本格的にローカル線廃止問題へと進んでくるのですがその辺はまた別の機会にアップさせていただきます。

○内藤功君 それじゃだめなんですよ。前向きにやるように前段で言っているけれども、後段の答弁じゃだめなんです。それじゃ、結局われわれが運賃値上げ自由化法のときに、総裁と大臣の判こ一つで――まあ判こ二つで自由になっちゃうよと言ったとおりなんです。もう国会でもって、運賃法の審議で、おかしいからストップだと、ちょっと待ったと言うことはできない。国会がストップできなければ、大臣のところでちょっと待てと、その値上げ待ったと、待ったとこう大みえ切るのはあなたしかないんですよね。それしかないんです。それがあなたは、値上げは値上げでちゃんとやらしてもらいますと、検討は参考にさしてもらいます。――これじゃだめなんです。ここはひとつ、私は再度あなたにお聞きしたい。ほんとに国民生活を考えているのかどうか。国民生活にこの運賃の値上げでいろんな影響を与えますよ。あなたは栃木県でしょう。小山から上野までの定期券運賃どのくらい上がるかわかりますか。――どのくらい上がります。物すごい値上がりでしょう、通学定期。それなのに国民に対しては、これは聞いたことは参考にする、値上げは既定方針でいくと、これじゃいかぬです。重大な問題ですよ、三十億円の問題ですから。三十億――小さい問題じゃないですよ。国鉄の一日の収入の半分だと言われている。まずこれをはっきりさせると、早急にはっきりさせると。参考にするだけじゃなくて、自分で調査をすると。そして、それでなければ安易な値上げには自分は判こを押さぬと、こう言えないですか。

○国務大臣(森山欽司君) まあ私は私のやり方がありまして、そのやり方はいままでの大臣とはまた多少趣を異にしている点はおわかりだと思いますが、先ほど私が申し上げたことで御了解願いたいと思います。

○内藤功君 まあ、さっき他の委員から御指摘の笹川氏の問題などを、全日空の社長問題などをあるいは言っているのかもしれない。それとこれは違いますよ。ほかの問題でどんないい姿勢とったって、この一番国民生活に響く問題、物価値上げの引き金になるという問題、これで、お話は承りました、それと値上げは別です、こういう政治姿勢はだめですよ。私は納得できない、それは。ほかの点では納得できるものもありますよ、正直言って。この問題じゃだめなんです。どうなんですか。それは、あなたは真剣にこの国民生活に及ぼす運賃値上げの影響というのを考えていないんでしょう。幾らでも値上げというものは、大臣の判こ一つでできる。国鉄の赤字だと、国鉄再建案もできていない、それで値上げだけやっていくと。一番安易な道をいまたどっていると思うんです。あなたは、国鉄の運賃の値上げについては、一番安易な、取れるところから取る、抵抗力のないところから取る、こういう考え方の持ち主ですか。

○国務大臣(森山欽司君) 国鉄の運営につきましても、いままでとは違ったやり方でやっておるわけでございますから、先ほどの方針でやらしていただきます。

○内藤功君 これは非常に国民としては切実な問題なんです。一年間に四回値上がりしているんですね。そうして学生でも、私の知っている学生で山梨県の都留から通学しているのがいますよ。三カ月でいま三万四千円ですってね、定期券が。それは大変なものです。それでもやっぱり通学しているんですね。これ、まだ上がる。大変な問題ですよ。私は、これはもう国鉄の値上げは限度に来ているだろう。大臣は、自分の任期中はもう値上げやらぬと、もう値上げはこれでやらぬと、あとは国鉄自身の努力と政府からのこの援助というものを――これはむずかしいにしても、その方向で努力をする。値上げもここらで限界だという線を示さないと、私は非常に心配するのは、文字どおり無制限な、歯どめのない値上げの洪水というのが出てくると思うんですよ。私は、その点について、大臣がどう考えているかという問題、これを聞いておきたい。

○国務大臣(森山欽司君) 御承知のように国鉄の再建は、国鉄の徹底した努力、それから政府の行財政を裏づける運賃値上げ、三本立てでやるたてまえになっております。が、私は特に、私鉄等を初めとする他の交通機関との関連から言って、常識的に見て限度ではないかということを、すでにきのうの新聞でもそのこと載っておりますから、一回新聞をよくお読みになられて、私の考え方を御理解ください。

○内藤功君 時間が来たので、私はこの問題の調査、国鉄としていつごろまでにどういう方法でやるか、この点を最後にお聞きしておきたい。――国鉄のいまの問題の調査を運輸大臣としてはどういう姿勢で、いつごろまでにおやりになるつもりか。

○国務大臣(森山欽司君) きょうここに国鉄の幹部おるわけですから、早速にでも私のところへ報告があるはずでございます。おおむね、問題になった事項をいままでのようにほっておくことが許されないような体制に徐々になりつつありますから、恐らくこれからすぐ私のところに報告に来るんじゃないかと、こう思います。

○内藤功君 そのことを私は強く要求をしておきたいと思うんです。
 大体ね、これをやはりはっきりさせない限りはおれは判こを押さぬぞと、このくらいの政治姿勢がなきゃいかぬと、私は最後にこれだけひとつ申し上げておきます。

○委員長(竹田四郎君) 本件に対する本日の質疑はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十分散会

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