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チョコと雨とそれから

君の言葉に雨の臭いを感じて
明日はお休みと通知がきた
チョコレートみたいに
甘い一日だったらと
たらればの昼

五月雨が似合わない季節が
そこまできている
泣き出しそうな空に
紫陽花の蕾はその時を待って
柔らかに眠っている

少しの光があれば
音のしない夕暮れも懐かしく
指で辿る一人の時
天気なんて気にはしかったのに
一言が聞ければ

珈琲の味は悲しいほど苦くて
君の言葉は紫煙に溶けた
記憶の中の君の声は
甘く響いて
ビターのチョコを一欠片食べた
ほろ苦甘くて
一粒涙がぽろり