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六月の雨の前

その時君の目にとまった物は
梅雨の直前の晴れの日の
この時とばかりに
干された洗濯物だったり
飲み残しの冷めたココアのマグカップだったり
ほんの少し紫陽花が寂しそうに空を見た

視線が動く瞬間を四角くぱしゃりと
切り抜いて私のスマホは
今日もまた四角の中の君で溢れる

明日から雨みたい
暑さに火照る体に
静かな夜は囁いて
雨の臭いを思い出す私