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雨の夜と私

また雨が激しく降る
急ぎ足の雨音は
次から次へと屋根を濡らし
早足て夜へと向かう
冷たくなった肩だけ
忘れられて
"このままで"と語りかけた気がして
振り返った夕暮れ

一人ではなかったのかもしれない
さよならは私が言ったのだから
真っ暗な空は押し黙り
規則正しく落ちる雨
時々光る雨粒は誰の涙
ばたんと閉まる扉は渇いた音で
心に刺さる

愛さなければならないの
どんな事があろうが
愛さなければならないの
私が決めた事だから
愛さなければならないの
雨の季節あのマズルカが
聞こえた夜