見出し画像

MURASH GAMINGのサンセットはなぜあんなにも強いのか

初めましてLightN1ngです。今回は怒涛の追い上げを見せるMURASH GAMING(以下MRG)のサンセットについて自分なりに解析してみました。現在MRGはアドバンスステージを含めた5試合を行っており、NORTHEPTION戦以外の4回はサンセットをプレイしています。その4回のサンセットの中でアドバンスステージでSCARZに敗れて以降負けておらず、SP1 3位の戦国ゲーミング、SP1優勝チームFENNELから1マップを取る快挙を見せています。ではどうしてMRGはサンセットがあんなにも強いのか、見ていこうと思います。


・構成


オーメン、クローヴ 2コントローラー構成

元々MRGはSP1のサンセットにてヴァイパーを採用した2コントローラーでプレイしていました。しかしパッチノート8.08(2024/4/30)でのヴァイパーの大幅な弱体化、クローブの追加により構成を大幅に変えているようです。SP1で使用していたオーメン以外のエージェントを全て入れ替える大胆な構成変更を行いました。

・この構成の強み

この構成は巷では”不死鳥構成”と呼ばれています。何故不死鳥なのかというと、フェニックスウルトのラン・イット・バック、セージウルトのリザレクション、クローヴウルトのノット・デッド・イェットという1度死んだら終わりというVALORANTで、2度の命を生み出すことができるからです。この3つのウルトがある以上、ウルトがたまっている時は敵は警戒をし続けなければならないし、最悪の場合5VS8というシチュエーションを生み出されてしまいます。それに対しMRGはウルトがある場合は強気に勝負に行けるし、少し危険な立ち回りや、相手の攻撃型ウルトの生贄となり、強力なウルトを無駄に消費させることも可能となります。

・不死鳥構成の守り、攻めの強さ

ここからは不死鳥構成での守り方、攻め方を徹底的に解析していきます。防衛でのMRGはリテイクの成功率が高くサイト内守りをする印象がありません。前で勝負するか、サイトを明け渡して全員でリテイクをすることがかなり多いです。それに対し攻めではエリア前目で勝負をし、人数有利をつけてエリア確保、プラント後はサイト内守りが多く、また人数不利な時はサイト内で耐える方式でカバーラインをしっかり引いて、人数不利を覆そうと徹底しています。なのでここでは、防衛時のスキル運用と立ち回り、MRGの攻めの強さ、セージ採用の理由、不死鳥構成にしかできないリテイクをまとめていこうと思います。

・防衛時のスキル運用と立ち回り

MRGのベーシックな守り方はこちら↓

A:フェニックス、オーメン、B:セージ+クローブ,midソーヴァ

セージがクローヴにスモークをもらいつつBメインの情報を取得、それに合わせてオーメンフェニックスがAメインを取得しに行く流れがオーソドックスな守り方となっています。MIDはリコンボルト、もしくはオウルドローンでタイルまでの情報が掌握できます。Bはクローヴのスモーク、Aはオーメンの1wayスモークを炊き続けれるため、相手は前目の取得のためには索敵スキルが必須となります。これが2コントローラーの強みです。

不死鳥構成での防衛の強さが光ったと特に感じられるのはCrest Gaming Zest(以下CGZ)との試合の3ラウンド目。MIDを見ていたソーヴァがリコンボルトでmidの情報を取得。マーケットのドアを閉めているため、セージが見る方向はBメインのみと限定することができます。この後CGZはドアを破壊するため、Bメインを見ていたセージはオーメンから1wayをもらいつつマーケットを確認しています。その間にタイルからAに行こうとCGZが企てているところにオーメンフェニックスのAメインプッシュが刺さります。この時CGZはMIDに人数を割いていたため、Aメインに進行していたのはオーメン1人のみ。この撃ち合いで人数不利が生まれています。さらにタイルへのパラノイアで進行を完全に抑えます。ここで2人いるのとパラノイアでAへの進行が難しいと判断したCGZはBへの進行を行います。しかしBはセージが見ているためスローオーブでの時間稼ぎが可能。さらにMIDに再度リコンボルトを打ったことにより、マーケットB挟みのリスクを無くしています。スローオーブによる遅延でAサイトにいる味方の寄りが間に合うだけでなく、もたついているところをワンピックとることに成功しました。後はフェニックスウルトのラン・イット・バックでのリテイクでサイト内制圧完了というものでした。

・MRGの攻めの強さ

MRGの攻めですが、基本的にラークを置かず、常に集団で動いているのが特徴です。常にカバーをとれる位置に全員がいることで人数不利を相手に作らせないように徹底しています。

こちらは戦国ゲーミングとの一戦。20ラウンド目前半にセージがワンピックとられてしまい、人数不利からのスタートとなります。さらに相手はAサイトにてセージのバリアオーブを使っているため、セージ以外の4人はBスタックでいいという戦国有利な試合展開となっています。しかしここからがMRGの強い攻め方となります。20ラウンド目でMRGが行った戦法はマーケットB挟み。戦国戦においてこれまでMRGはMIDを掌握せず、常にAに行くならAメインorエルボー進行、Bはメインからのサイト取得という流れを使っていました。またマーケットから攻める場合はメインを完全に捨て、全員でマーケット進行を行ってサイトを取ってから、ソーヴァのオウルドローンでBメインを確認するという流れが特徴的です。またMIDでの撃ち合いは戦国が優勢だったラウンドが多々あった為、MIDへの警戒心がかなり薄れていたのではないかと思います。ローテートのためにトップにスモークを炊く場面もあった為、トップにスモークが来てもマーケット挟みをしてくるだろうとは相手も予測していなかったのでしょう。ワンピックを取ったヴァイパーがMIDからマーケットへ撤退した後、念押しとしてシャッターを閉めなかったのも、MRGの戦略にはまっているなと感じました。フェニックスがラン・イット・バックでBメインを取得。その情報があるため、戦国はオーメン、ゲッコー、レイズの3人でメインを見ていました。さらにマーケットへパラノイアが来たことでさらにメインへの警戒が高まります。それによりドライで入ってきたクローヴ、ソーヴァに対応しきれずオーメンは倒されてしまいます。これを皮切りにMRGのサイト掌握の攻めが始まりますが、ここからの展開が戦国をさらに不利な状況に追い込んでいきます。


マーケットのオーメンを倒してMRGが行った展開は上記の画像の通りです。まず全員でサイト内に行くのではなく1人をマーケットに残しておくことで、タピオカからサイト内のカバーに向かおうとするヴァイパーを足止めします。これにより早くクローヴを倒さないと、サイト内で耐えている2人のカバーに行くことができないだけでなく、サイト内で戦う人数差で有利を作られてしまいます。またマーケット付近にスモークを炊いていることで、右からのピークができず、どこまで進行しているかの情報も取ることができなくなります。これによりゲッコーは情報を取るために、ウィングマンを使ってサイト内の情報を取りに行きます。これによりサイト内にゲッコーがいることは確定しましたが、ゲッコーより前にレイズが勝負してきたのでMRG側はサイト内に2人以上いることが分かります。オーメンがレイズに撃ち勝ち、ゲッコーも確定でいることが共通認識のため、サイト内の警戒は怠りません。その前にリコンボルトとソーヴァ自身が右側を再度確認しているため、ピーク箇所が限定され、オーメンは同じところを見続け、ゲッコーも倒すことに成功。その間にタピオカ付近でクローヴがヴァイパーを倒したことで、セージはキープを余儀なくされたラウンドとなります。2コントローラーの強みを活かし、スモークで情報や射線を遮断しただけではなく、相手の立ち回りを完璧に読み切り、人数不利を覆したラウンドとなりました。

しかしごく稀にラークを刺す場面があります。それが戦国ゲーミングとの一戦でReita選手が行った動き。15ラウンド目、本陣はBメインの取得を行います。フェニックスウルトのラン・イット・バックでBメインを取得。相手はラン・イット・バック警戒のためサイトを開けた状態で後ろ目で戦っています。こうしている間にも戦国は3人でAメインの情報を取得。これによりAへのローテートが難しくなってくる中で、クローヴがミッドを抜けてタピオカへ侵入。これによりサイトを見ていたセージが倒されてしまい、MRGはサイト内に入ることができただけでなく、タピオカにいるヴァイパーを挟み込む状態を作り出すことができます。さらにヴァイパーのカバーに来たオーメンとゲッコーを引き付け時間を稼ぐことにより相手のリテイクを遅らせています。MRGはラークを置かないということはラウンドを重ねているため相手もわかっています。なのでラークへの警戒がほとんど無かったのでしょう。ラークに気づかず、フリーキルを相手は与えてしまいました。


・セージ採用の理由

セージのバリアオーブは射線を潰すうえで強力なスキルのひとつになります。

この2枚の画像のようにバリアオーブひとつで1個の射線が潰すことができます。これによりプラント中のデスや、サイト内進行中に倒される可能性を極めて低くすることができるだけでなく、射線を限定したことによりエントリー時の見るべき箇所を減らすこともできます。しかしサンセットのBサイトのエントリー時のバリアオーブは隙間が少し空いてしまうので、そこだけは注意しなくてはいけません。

防衛時にMRGはセージのバリアオーブで時間を稼いだり、スロウオーブでカバーキルを取らせないようにしています。特にサンセットのような狭い箇所が多々あるところはセージのスキルひとつで容易に足止めできるのも強いところなのではないかと思います。

例を挙げるとするなら、戦国ゲーミングとの一戦の9ラウンド目。戦国はスラッシュとショーストッパーを使ってBサイトに入ろうとしましたが、バリアオーブとスロウボールによって塞がれてしまいます。さらにスラッシュが回収不可なところに行ってしまったため、相手は強力なウルト2つがセージのスキルのみで止められてしまっただけでなくBメインスタックによりMRGの寄りが間に合ってしまったため、戦国はローテートを余儀なくされてしまいました。防衛においてのセージは裏見ができない代わりに、サイファー、キルジョイよりもサイト制圧に適しているエージェントだということが分かります。そういう面では味方の寄りを間に合わせリテイクを綺麗に完遂したり、前目で押さえたいMRGとは相性が良いのではないかと考えました。

攻めでのセージの強みを活かしたMRGのサイト突破方法は、同じく戦国ゲーミングの13ラウンド目。4対8での折り返しで、どうしても欲しい1本でしたが、上手く取得することができます。それは何故かというと攻め方の上手さにありました。人数有利で迎えた13ラウンド後半、戦国も時間がないことが分かっているので、サイト内で耐える方針に切り替えています。セージが黒コン裏、ヴァイパーがAサイト入り口、ゲッコーがCTという配置です。セージが足音やスキルの入りを確認しているため、ヴァイパーはセージのカバーゲッコーはセージとのクロスを組むことに専念します。

しかしエントリーの瞬間に画像のようにセージのバリアオーブにより、ゲッコーの射線が潰され、ダークカヴァ―とホットハンドによりヴァイパーの射線を潰す事だけではなく、セージのカバーに来れないように徹底していました。さらに黒コン左から逃げれないように、セージの退路を潰しています。これによりセージは複数人にフォーカスされ倒され、無理やりカバーに出たヴァイパーはホットハンドにより倒されてしまいます。ハンドガンラウンドやエコラウンドなど武器が極めて弱いラウンドの場合、バリアオーブを壊すのに時間を使わされてしまうためゲッコーはカバーを取ることができませんでした。さらに壁を壊す作業により裏周りはないと断定付けられてしまい、MRGはラウンドを取得することができました。セージ採用の理由は蘇生ができることだけではなく、このような相手の射線やカバーラインを徹底的に潰し、撃ち合いを有利に進めることができるのが採用の理由なのではないかと思いました。

・不死鳥構成にしかできないリテイク

不死鳥構成は1番最初に書いた通り、ウルトの効果で二度の命を生み出せるエージェントが多いのが特徴です。その結果完璧なリテイクを決めることが他の構成に比べて行いやすくなっています。

こちらのリテイクではセージウルトのリザレクション、フェニックスウルトのラン・イット・バックでリテイクを成功させたシーン。フェニックスウルトは一度死ぬことができるということで強気に前に出てCTを確保しに行きます。ただフェニックスだけを前に行かせるのではなく、後続もついていくことで、フェニックスを攻撃ができるドローンとして扱うことができます。それによってオーメンがCTにてキルを取る事ができ、フェニックスのカーブボールにより、ネオンを引かせることに成功しました。CTを確保したら、リザレクションで倒れたオーメンを蘇生させ、気づけば5VS3のシチュエーションが出来上がってしまいます。しかしここでも気を抜かないのがMRGのいいところで、スキルを入れることでおおよその敵の位置を限定しています。

CTにダークカヴァ―を入れたことによりCTに回ってくるであろう敵の射線を増やせなくさせ、リコンボルトとホットハンドでエルボーと黒コン裏の情報を取得。そうしたことで、サイト内に敵がいた場合の箇所を限定しフェニックスのカーブボールでのピークで1キルが生まれます。さらにセージのバリアオーブで見る箇所をCT orエルボーに限定し、エルボーでもキルが生まれ、最後に後ろから走ってきたネオンを倒してリテイク成功といった流れになりました。
そもそもMRGのリテイク開始のタイミングの時点で、FENNEL側は人数不利+エリアが狭い状態であったため、1人はサイト内で守る必要がありました。ネオンはCTから詰めて挟み込む準備を、ソーヴァはハンターズフューリーでの遅延を行おうとしていたため、ヌル/コマンドで相手を抑制し続けることができる+フラグ/メントによる遅延が行えるkey/oがサイト内で耐える方針となります。FENNEL側も相手のセージがバリアオーブを使っていないことは分かっているからこそサイト内でどうしても耐えきりたかったのでしょう。しかし遮蔽物がないところで、1人で5人の猛攻を耐えることはできません。そのまま倒されてしまい、ソーヴァもバリアオーブの影響でなくなくエルボーに行かざるを得なかったという結果になりました。

こちらもまたFENNELとの一戦。FENNEL側は序盤クローヴを倒すことに成功しますが、セージウルトのリザレクションにより再び5VS3の状況に。そこからソーヴァの華麗な3キルが生まれ、人数差はイーブンに。リテイク時にクローヴの1キルが生まれたことによって、ノット・デッド・イェットが上がってしまい、サイファーはクローヴを倒しても1VS1の状況を作り出せず、そのまま倒されてしまいます。このノット・デッド・イェットが上がるきっかけを作れたのもセージのリザレクションがあったからだと思います。これが不死鳥構成にしかできないリテイクです。

・終わりに

今回はMURASH Gamingのサンセットについてまとめてみました。勝率が高く安定して勝てていることや、SP1で首位であったチームを負かしているのを見ると今後も期待できますね。MRGと試合するチームがサンセットをピックBANするのかどうかも見どころだと思います。MRGWIN

この記事が参加している募集

#VALORANTを熱く語る

851件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?