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【アマチュア大喜利プレイヤー列伝】まな!-私なりの語り-

はじめに

前回の記事の主役だったオフィユカスが、睦月と組んで準優勝した大喜利大会「オオギリダイバー HYPER DASH vol.2 タッグトーナメント」。その時に優勝したのは、六角電波とまな!のタッグだった。

本記事の主役となるのは、その優勝タッグの一員であり、その時がキャリア初の優勝であった、まな!である。

彼女は関西のプレイヤーであり、ネット大喜利で培った、独自の視点から生み出されるオリジナリティ溢れる回答で、数々のタイトルを獲得している。その活躍は、地域やルールに左右されないのが持ち味である。

また、過去のインタビューシリーズでも、好きなプレイヤーにまな!の名前を挙げる人物が多数いたり、六角電波主催の「まな!35人組手」というイベントに多くの応募があったりと、憧れの人物として思い浮かべるプレイヤーは多い。

まな!にインタビューの打診をすると、本人は上手く自分のことを話せるかどうか不安に思っていたようだが、こちらにはこれまで22個の記事をまとめてきた実績がある。心配することは何もない。そう伝えると、最終的には快く快諾してくれた。

彼女のことをここまで掘り下げたことは、過去に一度だってあっただろうか。

2024年03月08日20時、インタビュー開始。

始めたきっかけ

Discordを繋ぎ、雑談を交わす。昨年は各所で顔を合わせていたことに話が及ぶ。大阪、東京、そして宮崎。

まな!が大喜利を始めたきっかけは、かつて取材したRedやオフィユカス同様、爆笑オンエアバトルのファンサイトである。そこからネット大喜利のサイトに行きつき、現在までのめり込むことになる。

「私が最初にいたのは、掲示板で大喜利するような所で、その次は管理人が判定する個人サイトっていうのが昔結構あって。個人でホームページ作ってみたいな。そこに割と居て、その後にボケ問答とかネタボケライフとかもやって…」

その当時同じ場で大喜利をしていて、今でも生大喜利の場で交流があるという人はいるものの、当時は他のサイト利用者と積極的にコミュニケーションを取ってはいなかった。

なぜ大喜利にハマったのかは、今では記憶が曖昧だが、現在の大喜利に対しての向き合い方にも通ずるこんな言葉が聞けた。

「今もなんですけど、結果っていうより、自分はお題が出て、回答を考えるまでが楽しいです。1週間投稿期間があったら、その回答の締め切り直前までずっと考えていたり。苦しいは苦しいんですけど(笑)考えるのが好きかもしれないです」

大学時代の活動

まな!は、特段厳しい家庭で育ったわけではないが、高校時代までは、活発に外の世界に出ることはしなかった。ただ、大学進学をきっかけに、様々な活動を行うことになる。

まず、落語研究会への入部。ここには1年生から4年生まで籍を置いていた。ちなみに、他大学の落研の先輩にウォーリーがおり、落研同士で繋がりがあったため、ウォーリーが初めて行った、一人コントの単独ライブを観に行ったという経験もしている。

「うちの落研は、みんな落語は絶対するんです。漫才やコントだけやりたいっていうのは…今はわからないけど、うちの代ではだめで、みんな落語はする。そのうえで、漫才やコントをやりたい人はやっても良いって感じでした」

大学お笑いの大会にも出場する。そこではピンのネタを披露したり、トリオで出場したりしていた。伝統ある学生落語の全国大会「策伝大賞」にも出場し、そこでは生で銀杏亭魚折(ウォーリー)の優勝を目の当たりにしている。

落研の活動も行う傍らで、こんなことにも挑戦する。

「大学の2年か3年くらいに、放送作家の養成所に通いましたね。半年だった所を、延長で結局1年くらい通った気がします」

ただ、当時の彼女は、「将来は放送作家志望!」という夢のようなものを抱いていたわけではなかった。「大喜利の人がその能力を活かすなら放送作家」というイメージで、養成所に通い始めたとのこと。

「そこで実際にやっていたのは『舞台とかの企画を考える』とか『進行台本を作る』っていうのが大きくて。『架空のテレビ番組の企画を考える』とか。ただ、自分は本当にそういうのが向いてなくて…」

今までネットで行ってきた大喜利は、そもそもお題やルールがあって、その中でどれだけ自分の色を出して遊べるかの競技。大枠であるルールを考えることは、得意であるとはとてもじゃないが言えなかった。

「毎回案とか課題として出したりするんですけど、採用されたことはなくて、『面白いけど、現実には出来ないよね』みたいなこと言われたりとか。『まあそうだなー』って(笑)」

余談だが、大学卒業後に、京都のとある劇団が、作家チームを募集していたのを見つける。そこに応募すると、養成所に通っていた経験を買われたのか、チームの一員として迎え入れてくれた。

「ヨーロッパ企画っていうちょっと大きめの劇団で」

名前を聞いた瞬間、ひっくり返りそうになった。ヨーロッパ企画といえば、コメディタッチの作風で、全国各地で公演を行い、演劇のみならず、数々の映画も手掛けている劇団である。

「ただ、そこでも企画は作れなかったな…(笑)でもめっちゃ楽しかったです。本公演じゃなくて、当時ヨーロッパ企画さんが大晦日に年越しのイベントをやってて、基本はそこのイベントのスタッフ業と、GWにイベントをやるんですよ。公演じゃなくて、企画がメインの。そういうとこの企画を考えたり、小道具を作ったりとか」

そこからしばらく、ヨーロッパ企画の本公演である「ビルのゲーツ」や「出てこようとしてるトロンプルイユ」の話で盛り上がったが、ご存じない方もいると思うので割愛する。

生大喜利の世界へ

まな!の生大喜利デビューは、はっきりとは覚えていないものの、大学進学後にmixiで繋がっていた人物に誘われて、カラオケ店での大喜利会に参加したのが最初の記憶としてある。2007年頃の話である。ただ、その場では、一答もしなかったとのこと。

「ちょっと…怖いというか、なんだろう…。どっかで『知らない人』って思ってた部分もあったかもしれないです。ネットでは知ってるけどっていう。ちょっと引いちゃうというか『外から見てるだけで良いです』みたいな気持ちになっちゃったかもしれないです」

その後、2008年には転脳児杯に参加したり、ダイナマイト関西のWeb予選を通り、吉本興業の劇場での一般予選に出場したりしていた。さらに、大学在学中に、先日15周年記念ライブを行った、関西の老舗の大喜利団体「オオギリクレイジー」のスタッフになる。これは、放送作家の養成所の先輩が、スタッフだったからという縁があったからである。

そこから、いわゆる今でも関西で生大喜利をしている人達と出会い、大喜利をするようになるのは、どのタイミングなのだろうか。

「たしか2013年に、カラオケで大喜利会があるっていうのをTwitter(当時)で見て。参加者を全員知ってたわけではなかったと思うんですけど、なんか飛び込んでみようかなっていう感じで行って。そこから、高槻とかの会議室でやってるようなイベントにも行き出したはずです」

初優勝

前述したように、まな!が初めて優勝した大喜利の大会は「オオギリダイバー HYPER DASH vol.2 タッグトーナメント」である。2017年に東京で行われた本大会には、ネイノー(六角電波)を自ら誘い、出場した。

「もし出るなら誰が良いかなって考えた時に、頭の中で『ネイノー・まな!』って文字を浮かべた時に『これだ!』ってピンときたというか」

さすがに数年前の話ではあるので、大部分は覚えていないが、YouTubeに上がっている決勝の動画は、たまに見返すことがあるとのこと。

「自分で見ててもみんな面白いなって思うし、自分も好きな感じのこと出来てて、ネイノーさんはもちろん、面白くて強くてって感じで。自分で言うのもなんですけど、すごく良いタッグだったと思ってます」

今となっては、優勝した瞬間にどんなコメントをしたかといったことは覚えていないらしい。その時の動画は見返すが、観るのは大喜利の部分のみで、優勝した瞬間に動画を止めているのだろうか。初優勝の瞬間に、彼女が何を喋っていたのか気になったので、動画を再生してみた。

「統計学で言うと、(準決勝で当たった)蛇口さん・ぺるともさんタッグには統計学上は勝てないってちょっと思ってたので…(勝ったということは)統計学じゃなかった!」

…統計学?考えても仕方ないので、次の話題に移ろう。

個人戦での優勝は、2017年に六角電波主催で行われた「覆面中央杯 秋」でのことである。普段使っているハンドルネームと異なる名前でエントリーし、当日まで誰がエントリーしているか分からないというコンセプトの大会である。

予選から決勝まで、様々なルールで大喜利を行い、優勝者を決める。「友達」名義で参加した彼女は、途中退室者の発生により急遽行われた敗者復活戦を勝ち上がり、決勝戦に進出。得た票数の少ない順に脱落していくルールの決勝戦では、「貞子」名義で参加していた鉛のような銀を1票差で倒して優勝した。

「自分が個人で優勝できるとはあんまり思っていなくて。『優勝するタイプではない』って勝手に思ってる所があって、手数もないし。決勝行くまでのスタミナみたいなのも、おそらくそんなにないんじゃないかって思ってる部分はあったんですけど、だから(優勝出来て)嬉しかったですね」

印象的なイベント

ここからは、勝敗に関係なく、印象に残っているイベントを聞いていく。

「チーム戦だと、関西の『戦(いくさ)』は大きいですね。自分も何回も出てるんですけど」

年に一度行われる、関西の大規模なチーム戦「戦・大喜利団体対抗戦」。予選は各ブロックでポイントを獲り合う点取り合戦、本戦と決勝戦は、先鋒・次鋒・副将・大将の順にメンバーが出陣する勝ち抜き戦となっている。詳しいルールは、虎猫やぺるとも、ジョンソンともゆきの章に書いたので、そちらを参考にして頂きたい。

彼女は2016年から2019年までfrom yoh、田んぼマン、卵焼兄妹と「パンケーキ大喜利」というチームを組んで出ていた。コロナの影響で2020年から2022年の3年間は、イレギュラーな形で行われたり、そもそも開催がされなかったりしたのだが、2023年に復活。この時は、五能 ファイア、あきやまじ、pokopokoと「大喜利フィードバック」というチームで出場した。

「自分が舞台に立ってる時に見た光景とかを結構覚えてて。これは戦でしか味わえないものだなあっていうのがあるし、ここで楽しみたいっていう気持ちはあると思います。本当に色んな方が見れるっていうのは楽しみですし、戦って皆さんの良い状態が見れる印象があって、見てて楽しいですね」

初めて出場した2016年の戦では、準優勝という記録を残している。

「今考えたら惜しかったな~と思いますね。でもああいうスタイルで大喜利するのって、多分初めてだったと思うんです。タッグでっていうのはあったと思うんですけど、4人でって無いし。私が大将で出るっていうのはチームで決めてて、そんな経験も無かったはずなんですね」

初めてのことばかりで、その年は特に印象に残っている。勝ち上がった瞬間の4人の喜ぶさまを、客席の誰かが捉えた写真は、今でも大切にとっている。

「あと、東京のThe Order、六角電波さん主催の。これも楽しかったですね。純粋に『楽しかったな~』ってずっと思ってるイベントです。リーダーが、お題を事前に見て、メンバーを決めてくっていう。あれ凄い面白いなあって思いました。あれを六角電波さんが一人で捌くっていうのが、単純に凄いっていうのもありますし。そこで関西から来た方と、東京の方が交流されてたりするのを見て、いいなあと思いました」

5人1組のチームによるトーナメント戦である「The Order」。2023年の5月に行われた、3度目の本大会に、隅に楽譜、阿諏訪 祀、北戸田スイッチ、イネと共に出場した。彼女のチームは一回戦で敗退してしまうが、それでも楽しい思い出として、記憶に残っている。

彼女にまつわるチーム戦の話題といえば「大喜利未来杯ーBIG GAMEー」での優勝は外せないだろう。

「おかきさんとハッピイターンさんと組ませて頂いたんですけど、お二人を手ぶらで帰らすわけにはいかないっていう、そういう気持ちが強かったですね」

オオギリクレイジーに所属し、生大喜利の存在を知り始めた頃からの付き合いがあるおかきと、それと同じくらいの時期に知り合ったハッピイターン。チームメイトに対する思い入れは強かった。

「決勝戦の最後のお題は全員出るんですよ。私から見ると、おかきさんとハッピイターンさんがのびのび楽しそうにされてて、みんなで獲った優勝って感じがしました」

話を続けていると、「モーリシャスさんの『大喜利ATP World Tour』も好きです」という言葉も聴けた。

男子プロテニス協会(ATP)が、世界各地で大会を行い、世界ランキングを争う大会である「ATP Tour」の形式を、大喜利に落とし込んだ大会で、ルールの巧妙さが好評を博し、個人戦だけではなくダブルスの大会が行われたり、今年の6月には「Grand Championship」も行われるなど、すでにその存在は、プレイヤーにとって無視できない大会となっている。

「めっちゃストイックな大喜利会なんですよ。下剋上が出来ないルールって言われてて、それが良いなあって。ストイック過ぎて好きですね」

組手

2023年07月29日、東京の阿佐ヶ谷地域区民センターにて「まな!35人組手」というイベントが行われた。一人のプレイヤーが、数々の挑戦者と1対1の勝負を行う「組手」シリーズは、2018年の「冬の鬼30人組手」を皮切りに、様々な形で行われてきた。まな!を主役に置いた組手は、今回が初めて。ちなみに主催は六角電波。

彼女はこれまで、冬の鬼、警備員、しゅごしゅぎ、五能 ファイア、蛇口捻流の組手に参加して、その全てで勝利している。

「あの短い時間にパワーをつぎ込むって感じが楽しいです。多分自分はタイマンが好きだと思うので。みなさん面白いし強い方で、贅沢な時間だなっていう感じですね」

挑戦者側として挑む組手は「全員楽しかった」という印象が残っている。自分が挑戦者を迎え入れる立場となるのは、また少し違った心持ちだった。

「(お話来た時は)嬉しかったです。けど、やっぱりどうしても、自分で良いのかなっていうような気持ちも無くはないし、あの感じをずっと35人やるのは無理だろうなとは思ったので、どうなるかなっていうのはあったんですけど。でも、声をかけて頂いたのは嬉しいし、それには応えようって感じでした」

「まな!35人組手」を開催するにあたり、挑戦者を絞るため、Web予選が行われた。事前に公表された2つのお題に対し、一問一答で答えを送る形式なのだが、彼女の予想以上に回答が集まることとなった。良かった回答を彼女自身が選び、選ばれた人は当日挑戦者として彼女に挑める。

「嬉しかったですけど、自分で選ぶっていうのに心苦しさみたいなのもありつつという感じで。知ってる方もいらっしゃるし、面識ない方も応募してくださってて。ここまで届いてるんだというか、応募してくださったんだっていうのが、純粋に嬉しかったですね」

組手の最中は、今まで経験したことが無いほどたくさんの対戦相手とお題に挑む。ただ、それでもいつものペースを崩すことは無く、普段通りだったとのこと。

「勝つぞって感じは元々あんまり持ってないかもしれなくて。『絶対20勝はするぞ』とかはあんまり思ってなくて、思わない方が良いだろうなとも思ってて。今思ったら、もうちょっと出来たんじゃないかっていう部分もありつつ、でも、良いイベントだったって凄く思います」

Web予選で決まった30人に加えて、5人の刺客も彼女が決めた。

「自分で演者を決めて会を主催する人とか、自分から積極的にチームを組む人とかは、こういう感情なんだろうなっていうのが分かったというか。刺客が全員揃った段階で、これだけで自分は充分嬉しいって感じでした」

好きなプレイヤー

ここからは、読者も気になるであろう、まな!の好きな大喜利プレイヤーの話に移る。彼女がどんな人物の名前を挙げるのか、どういったスタイルの大喜利が好きなのか、私も気になる所ではあったのだが、彼女の答えはこうだった。

「これが、本当に申し訳ないんですけど…『特定の』っていう人は、いないというか『みんな』っていう感じなんですよね本当に。なので、ほんとそれぞれ面白いですし」

彼女にとって、プレイヤーの中から、特定の誰かをピックアップすることは難しかった。また、「こういうスタイルが好き」というような、好みも決まっていないという。

「いわゆる正統派の方が面白い、凄いのもあるし、全然違うめちゃくちゃ動き回るような方を見て、面白いな、自分には出来ないなとか。どっちも好きは好きって感じで…。『みんな』って書いちゃダメですか?」

ここまで話を聴いて、「強いて一人挙げるとするならば?」など、しつこく掘り下げるような真似はしなかった。大喜利をする人ならば、全員それぞれの良さがあって、見る者を魅了することが出来る。それが彼女の考えであるなら、尊重しないわけにはいかない。

「まな!さんに名前を出してもらいたかったな」という方もいるかもしれないが、彼女の前で大喜利をしたことが一度でもあるならば、きっと彼女に良さを見つけてもらえているはず。がっかりする必要は無い。

今後の展望

いよいよ最後の項目。あまり知られていない驚くような経歴も話してくれて、これだけでも充分良い記事が書けるとは思うが、最後に今後の展望を聴いて、この記事を締めたいと思う。彼女が目指しているのは一体どのような場所なのか。

「目標は…ないと思います。あんまり『これで優勝したい』とかも無いですし、『こういうのがやりたい』っていうのも特には無くて。ただ『現役であり続けたい』とは思います」

絶対に勝ちたい大会や、大喜利を通してしたいことも、現段階では無いが、大喜利を続けていきたいという目標はある。そのために、誰かからオファーを受けてイベントに出たり、自ら勝負の場に出て行ったりすることには、何のためらいもない。

それこそ、冒頭に少しだけ書いた、2023年9月に行われた宮崎県での大喜利大会。「宮崎大喜利Typoon」というタイトルの、宮崎県在住のプレイヤ-・ジュニア主催の本大会で、まな!は招待枠で出場した。

「呼んで頂いたのは本当に嬉しくて、『行きます!』って感じでしたね。正直、宮崎にどうやって行くかっていう手段もちゃんと分かってないままでしたけど、誘って頂いたからには『じゃあ行きます』って感じでした」

大喜利を続けるため。全ての原動力は、そこに繋がっている。もちろん、イベントを主催する人のために協力したいという気持ちが大前提にある。

「何か会をやろう、盛り上げようとしてくださっている方には、応えたいっていうのがありますね」

おわりに

2時間弱の取材が終わった。

取材の依頼をした時は、彼女の方から「ちょっと考えさせてください」という申し出があった。普段から素の部分や自分の経歴、大喜利観を語らない彼女に無理をさせることにならないだろうかと不安になったが、最終的には引き受けてくれた。感謝しかない。

取材をする前は全く知らなかった彼女の経歴を聴いて、驚いた部分と、不思議と納得がいった部分もある。これは筆者にとっても、彼女にとっても貴重な体験だったと思う。

なかなか先のことを考えることの無い彼女の口から出た「現役であり続けたい」という目標。 その言葉だけでも、彼女の大喜利に対する熱意が伺える。

取材の中で、たびたび「絶対勝つぞとは思っていなかった」という言葉が出てきたように、モチベーションを保つのが人より難しい彼女ではあるが、「大喜利を続けたい」という目標を掲げているからこそ、どんな場所でも強さを発揮出来るのではないかと思っている。

「考えるのが楽しい」というネット大喜利だけに取り組んでいた時期に抱いた気持ち。それは今でも変わっていない。

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