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4C速読 女性たちが見ている10年後の消費社会 チャレンジ#3 2021/04/21

女性たちが見ている10年後の消費社会 著者 日野佳恵子

発行 同文館出版株式会社 2021年2月11日発行

【3 Points】

①「見えないこと」が価値になる2021年からの10年

新型コロナウイルスの感染拡大によって「価値が変わった」「以前のやり方は通用しない」「この先どうなるのか。消費者の先が見えない」と。多くの人が言う。安心してほしい。それは女性視点が教えてくれる。女性は、見えていない世界を感じる力がある。

女性視点マーケティングでは、もともとモノよりは見えないコトを重視する。また、「共感マーケティング」「共生マーケティング」「共創マーケティング」といった「共」は女性視点マーケティングの真髄になる。

女性たちが見てきた世界は

モノからコトへ

コトからイミ(意味)へ

イミからイギ(意義)へと変遷している。

女性が見ている消費社会とは、

●モノを見ながら常に家族や子ども、関係する人々の使用場面を想像する。

●選択責任者として、家族に、子どもに、社会によいモノかを選定する。

●購入時に「モノ+人にやさしい状態=商品価値」となる感覚が強い。

②女性は買い物の9割に影響を及ぼす消費リーダー

女性は、ありとあらゆる場面で、自分や誰かのことを考え、関わる商品やサービスを好むと好まざると買っている。

女性消費者は、世帯消費の6割から8割を決めている。

女性消費者は、世帯消費の実に9割に口を出している。

女性消費者は、女縁から情報を入手し、次の女縁に渡す。情報の渦は拡大する。この3つによって、女性は消費を動かし、拡大させていく。圧倒的消費リーダーである。

女性は「7つの消費」を創出する。周囲の人の買い物にまで口を出す女性は、消費を創造し、拡大させる。

1)生活基盤消費  生活必需品トイレットペーパー、ティッシュ、ゴミ袋など家の中の細々した、かといってなければならないモノの多くを女性は在庫管理している。

2)生活向上消費 女性は、生活向上による情報を好む(レシピ、暮らしの知恵、美容、ダイエット、レストラン、など)常に日々の暮らしを少しでも良くしたいと思っている。生活向上消費には、女性の”今より良くなりたい”という工場意欲に応える「指南役」の存在があるとさらに強い。SNSによって女性たちの女性たちの消費はどんどん熱くなっている。

3)おせっかい消費 女性のおせっかいのイメージは、こちらが何かを頼まなくても、先回りして買ったり、世話を焼いてくれるイメージ。すべて自分以外の人のことを日頃から気にかけていることで起こる行動だと言える。

4)代理購買消費 女性の頭の中には膨大な家族の嗜好データが収められているので、夫、子供、などのモノを代理で買うという行動ができる。

5)交際維持消費 女性は他人との関係をつなぐ行動をよくする。そのひとつがちょっとしたプレゼント。小土産は、女子会、ママ友会、趣味の会などの集いの場に維持する品。プチギフトは、うれしいことがあった時など、正式な場ではなくとも、女性同士が集まる場に、お菓子などの手土産を持参することがある。

6)クチコミ消費 情報発信が好きな女性たちにとって、SNS社会は最高の環境を提供されている。より華やかに、色鮮やかに、お気に入りのモノや風景を撮影しては発信して、それを機にいた人たちがフォローしていくと循環は女性同士の出会いをつなぎ、大きなコミュニティ化を実現した。

7)トレンド消費 女性がもっともわくわくする買い物は、トレンド消費だ。話題の商品を買うことは楽しいし、盛り上がる。なかでも季節トレンドは毎年楽しめるルーティンサイクルだ。

③女性視点マーケティングの成功は「共」にある

女性視点マーケティングの成功は、女性顧客との関係構築にあると言える。女性は、モノではなく人との関係性で生きている。買い物をしている時も、常にだれかを想像し、誰かが使っている場面を考え、誰かの喜ぶ顔が見たいと思いを巡らせながら品定めをする。

女性マーケティングが成功している企業は、「独自のモニター組織から情報収集」を実勢している。女性顧客が参加できる、イベントキャンペーンによる交流、女性会員の組織化など女性顧客と長期的に寄り添いながら接点を持ち続けている。

女性視点マーケティングプロセスに組み込むべき「6つの共」

1)「共感」女性の声に耳を傾ける。「共感」が市場を発見させる

例:ワークマン 作業服という女性消費者とは対極に癒えた事業を展開しながら女性消費者に支持された過程には、「顧客の声を聴く」という文化があった。SNSのインフルエンサーを味方にするプロモーションでいつか宣伝費ゼロを目指していく。今後の新規出店はすべて「ワークマンプラス」と「#ワークマン女子」の業態で出す。

2)「共鳴」女性はブランドの物語とヒロインに「共鳴」する

女性に支持される企業は、ブランドに物語と世界観がある。女性にとってのブランドとは、「その物語に自分はいるか」と創造できることだ。

例:Soup Stock Tokyo  商品ブランドへの理解を深めた創業期の擬人化「秋野つゆ」の存在。ブランドパーソナリティを設定。「秋野つゆ」37歳。おっとりしているが、しっかりしており自立している。おしゃれに無頓着なのに、センスが良い。装飾的なものは苦手で、シンプルを好む。架空人物の彼女の目線で店内装飾、メニュー作りが進んでいった。

ブランドに人格を与えることで社員の目線を同一にする。

各自現場での判断は共通意識のもとに行われる

自分の暮らしや幸せに敏感になり実現に向けて努力する

3)「共創」女性は商品を魅力的に伝える「共創」に感動する

女性は、その商品に大切にされているかを感じ取る。丁寧な商品づくり、手を入れた売り場、愛情を込めた販売、それらの「共創」に感動する。

例:Dean &Deluca 食の美しさを最大限に店舗で魅せる。コンセプトは「見るたのしみ、つくるたのしみ、食するよろこび」

トレンドを追わず、自らの感動を商品にする

食に対する創業者の理念を現場に活かす

安定して良質な食を収穫するため自然に配慮する

4)「共働」女性は誰かの役に立ちたい。「共働」の相互扶助で

例:ジーユー 全国に総勢500人以上いる「おしゃリスタ」のメディア お客様は、スタッフの着こなしを参考にして購入する

自分に似合う服が分からないというお客様のサポートを「おしゃリスタ」と呼ばれる社内独自の認定資格を持つ販売員が一緒にまわって洋服選びをしてくれる。

買う前に試着できるバーチャル3DモデルYU(ユウ)が変化提案してくれる。

自分たちの日常を相互に見せ合うことで、向上する

変身大、自分事になる目線で情報を提供する

誰かの「うれしい」につながる働き方を創り出す

5)「共育」女性ファンと企業は、コミュニティで「共育」し合う

例:パスコ コミュニティサイトで、お客様の声を吸いあげる。開発から販促までお客様と共にパスコを育てる

「パスコ・サポーターズ・クラブ~Pascoとおいしい時間~」は2017年にオープン。今までののクローズドモニターの会→会員様自ら楽しんでいただけるコミュニティとなり今まで以上に双方向に情報を活発にやりとりできるようになった。女性たちが素敵なパンのレシピ、アレンジを投稿するだけでなく、アンバサダーと言われる女性たちが意見交換を行い、積極的にパスコとの関わりを深めている。

顧客から直接意見をいただく関係をつくる

100年を超えて持続可能な社会への責任を果たす

お客様と一緒に「共有」し合い、共生を目指す

6)「共生」女性は暮らしのリーダーとしてサステナブルを見る

持続可能な社会に向けて意識する事項

女性視点マーケティングは、プロダクト志向ではなくてライフ志向

SNSの炎上は女性から見て「不快」がほとんどのケースである

女性消費者の買い物「6つの価値」

1)基本的価値(製品):製品の品質、性能、機能そのもの。信頼性

2)便宜的価値(便宜):お得、値ごろ、便利、助かる、使いやすい

3)情緒的価値(五感):見た目が素敵。デザイン、色、形、触感など

4)個人的価値(私的):自己充実できる、私らしい、ぴったり

5)社会的価値(社会):他の人の役に立ちたい(口コミ、シェア)

6)持続的価値(持続):持続可能な社会に向けた具体的な行動

【1Episode】

大分昔になるが、以前私が勤めていた、米国系スポーツブランドでプロダクトマーケティングを担当していた時は、新商品や広告についての消費者意見をうかがうフォーカスグループミーティングを定期的に行っていました。

商品や広告を見てCOOLかそうでないか、フィット性の機能、カラーリングなどの意見などを伺って広告や商品の魅せ方の参考にしていました。

男性脳は、モノそのもののグレード、性能の高さを見ているのでこの手法はメンズ商品には効果があるのかもしれませんね。

女性脳は、モノを使う時とその後のシーンを想像するので、質問内容などもっと、着用するシーンや感覚などを質問して、ウィメンズ広告の参考にすれば良かったのかもと今は思います。

現在はこれだけ、SNSが発達してくると、消費者と企業が友人、家族のように近いコミュニケーションが取れるようになり便利になる反面、女性視点の細かいニュアンス、不足感を汲み取って、満たす事は、今までのマーケティングより即反応、即行動に起こさなければならないと感じました。

あと、一旦ファン(信頼)になって頂けると、絆は深まり、企業と消費者の関係は長く続くのだなぁと、新しい社会が始まっている感じがしました。


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