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4C速読 小説8050 #チャレンジ9日目   2021/5/6

小説8050 著者 林真理子 発行2021年4月30日 発行所 ㈱新潮社

 【3 points】
① はじまり 
傍から見れば普通の豊かな4人家族の家庭でも公に言えない悩みがあります。
両親 50代 父親は歯科医 母 専業主婦
長女 20代 早稲田大学卒業 商社勤務
長男 21歳 中学二年生より七年間引きこもり 昼夜逆転の生活を送る

父親は引きこもりの息子でもいつか、自立すると信じて現実を見ようとしません。
母親と長女は息子に良い施設をみつけて、自宅から離す計画しますが、息子に罵声を浴び却下され続けます。彼らは息子への不満を抱え、対外的には「息子は引きこもりではなくて浪人生である」とご近所には伝え、現状に我慢しながら生活しています。

②  きっかけ
ご近所で独居生活していた老女の孤独死で救急車、警察が家宅に入った際、50代の一人息子が引きこもり生活をしていたことが発覚したことが、我が家にも起きうると危機感を頂き、息子と向き合おうと父親が決意をします。

③  裁判
息子と両親とのケンカにも近い対峙の中で息子が発した「復讐してやる」の言葉をきっかけに、父親は息子の引きこもりの原因である中学校生活での陰湿なイジメを息子にした首謀者を訴えることを決意します。その間の親子の葛藤、証拠集めと弁護士との一年間の歩みの中で家族関係が溶けていきます。

【1 episode】
理想の家族モデルと聞くと、昔はテレビドラマの笑顔が絶えなく、両親ともに優しく、子供たちは勉強を頑張れば世間が認めてくれるような大人になるのだろうな~。と小学生のころは思っていました。
しかし我が家は、父は単身赴任で海外生活する事が多く家庭不在状態。母は一人で家事を担って三人の子育てのストレスと不安などがあり、子供にとても厳しく当たる面がありました。
私も本の中の息子と同様、自分の意見を正直に両親に伝えることは不得手でした。一方で早く独立した生活を送りたい一心で、勉強し友人仲間が出来て、社会に出たので自分らしく生活できていることに今は感謝しています。

この本中の息子は、正直な気持ちを両親に伝えたら迷惑をかけてしまうという思いから沈黙と部屋に引きこもるという選択をし、その後、引きこもりの原因は家族のせいである。とすり替わり怒りへと変化してしまったのかもしれません。

その中でも息子と対峙をすると決めた父親の行動力と息子の変化に、光が見えたのが良かったです。

ニュースで見聞きする「8050問題」(80歳の親に頼って生活する50歳の子)はこの物語のように短期間では解決しないとは思いますが、現実の家族関係について考えるヒントになる内容でした。


私は、自分の子に問題が起きた場合は、見て見ぬふりをすることはせず、対峙、対話で大きなケンカになったとしても、子の人生のサポーターではあり続けます。

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