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山之内遼さん著「47都道府県の純喫茶 愛すべき110軒の記録と記憶」刊行に寄せて

こんにちは、編集部の白戸です。

2013年に刊行した「47都道府県の純喫茶 愛すべき110軒の記録と記憶」ですが、この度オールカラーで復刊いたしました。

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当時も今回も担当編集として携わりました。

著者の山之内遼さんは2013年の本書刊行後、29歳の若さでこの世を去ってしまいました。この本は、純喫茶を愛してやまなかった遼さんの最初で最後の本です。

当時の膨大なメールのやりとりを見返すと、第二弾の計画や、さらにその先の計画、刊行直後に私は海外へ長期出張に行っていたので、帰国後に打ち上げの話などもしておりました。しかし残念ながら、それらを実現することはできませんでした。

遼さんの遺した「47都道府県の純喫茶」は、喫茶好きの間ではそれこそ愛された本で、7年経った今でもたまにお問い合わせをいただきます。

そしてちょうど昨年、私は他部署から一般書編集の部署に戻ってきたこともあり、どうにかこの本を違った形でまた世に出せないかと思っていました。

そんな矢先に新型コロナウイルスが世界を襲いました。今現在も多くのお店が窮地に立たされています。

そんな中、自分の「好きなお店」について考えました。遼さんは、本書で掲載している110軒のお店は当然、世にある純喫茶・喫茶店のすべてを本当に大事にしていました。そのことは、本書を読んでいただくと十二分にわかってもらえると思います。

ですから「47都道府県の純喫茶」は、遼さんの言葉には極力手を入れない形で、しかし新しい形で世に出そうと思いました。最低限、お店のデータを改定し、遼さんが撮影した写真をオールカラーで出すことをご家族ともお話し、刊行することにいたしました。

あとがきにも書いたのですが、最新の情報を丁寧に記述するということに関して、どうしても紙だと限界があります。それよりも、この本の副題に込めた様に、当時の記録として保存しておくことに主眼をおきました。

当時から、そういった役割(当時の記録)をこの本に課していた部分もあり、本文に手を加えることは、遼さんなくしてはどうしてもできなかったのです。

これは制作者サイドの勝手な都合に聞こえるかもしれません。そして、実際そう取られても仕方ない部分があります。ですから、少しでも多くの人に今のお店の魅力も知ってもらうために、こちらのnoteに特設ページを立ち上げました。(いずれ、単独でページを立ち上げるかもしれません)

本に記載されている内容から変化していることについて、こちらで責任を持って発信していきます。

そのあたりの想いはあとがきにも書いたので、もしお時間があれば読んでいただければと思います(少し上にリンク貼っておきました)。




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