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制約が生み出す文体と思考

・制約から解放されて広がる芸術もあれば、
制約を設けることで創造性が生まれることもある。

印象派と呼ばれる画家たちは、
アトリエから抜け出して、キャンバスを外に持ち出し
野外で制作を行ったことで、刹那な光の移ろいを
絵画の中に取り入れた。
それまでは景色の観察は野外で行っても、
制作はアトリエで行うという制約から
解放されたことで、新しい絵画ジャンルに到達した。
一方で、新印象派と呼ばれる画家たちは、
いささか自由過ぎた印象派の絵画技法に対して、
造形的秩序の回復を目指して、
「点描画法」という制約を自らにもたらした。
画期的な科学的な色彩理論が
後世の画家たちに大きな影響を与える。
その1人がゴッホ。「点描技法」という制約は、
激しい原色を大胆に利用するスタイルに昇華され、
野獣派と言われるマティスやヴラマンクが継承し、
近現代の絵画スタイルへと変遷を遂げていった。

制作における制約は個性を生み出すドライヴだ。ぼくがこのnoteを書く際に設けている制約が
一行に一節をおさめること。
できれば、一文を一行に。
改行を頻繁に行えばそれもできるのけど、
流石にそれで文意を伝えるのに無理が生じるから、
をとか、はとか、がとか、「、」とか、「。」
で区切れる文節を一行におさめるようにしてる。
こうすると、この一行におさめるために、
色々と文字を削ってみたり、表現を変えたり、
言い換えをしてみたり、「。」で区切ってみたり、
あるいは、改行したことで文字数に余裕ができれば、
漢字をひらがなに「ひらいて」みたり、と。
文章を読み直しては、この修正作業を繰り返してると
いかにも「創作」をしてる感じになるんです。
考え方が文体の制約に囚われてるようで、
これが窮屈なんだけども楽しい。
毎日書くということも設けている制約。

こんなことは、3月6日や3月16日にも書いてるけど、
違う視点、表現で繰り返してまた書いてみる。

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