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雪舟のトリビュートアルバム 雪舟伝説カリスマの誕生展

・昨日は京都国立博物館で開催されてる
雪舟伝説「画聖(カリスマ)」の誕生展へ行きました。
雪舟は大好きなのだけれど知ってるようで知らない。
元々知ってる雪舟の作品は片手に数えられるくらいで
わざわざアーカイブを調べることはしてこなかった。
そんなぼくにとって今回の特別展は
改めて雪舟を知る機会になり大変勉強になりました。

雪舟伝説展について。
まずね、作品量が豊富。音声ガイドは山寺宏一さん。
本展のトップバッターが「秋冬山水図」
日本史の教科書で雪舟を紹介するページで
掲載されてるお馴染みの作品。国宝です。
ぼくが心酔して止まない「破墨山水図」とかも
出し惜しみなく最初の部屋に普通に並んでるんです。
ゴッホとか海外作品の特別展だと国宝級の作品って、
1作品ほどしか来日せず、展覧会の目玉作品として
メインの部屋で神々しく飾られているのがふつう。
本展はさすが国内の画家なだけあって、
海外での特別展なら主役を張れる作品群が
これでもかというくらい展示されてる。
それくらいの豪華ラインナップ。

さて、本展覧会のコンセプトは雪舟伝説ということで
雪舟という画家が後世にどう伝わり、
画聖(カリスマ)になっていったかというもの。
狩野探幽はじめ、長谷川等伯が
雪舟の影響を受けているというのは知っていたけど、
動植物を詳細に描いた伊藤若冲も、
奇想の画家でお馴染みの曾我蕭白も、
琳派の創始者の尾形光琳も、
写実技法の祖である円山応挙も、
司馬江漢も、みな雪舟の画を模しては学んでいたと。
どのスタイルの画家にも、
「雪舟風」が脈々と受け継がれている。
それはまるで、西洋の画家がみな、
「画家の中の画家」ベラスケスを描いてきたように。
そんな風にして江戸時代で雪舟は語り継がれてきた。

興味深かったのが、早熟の天才狩野探幽が
20代の早々に雪舟の画風に挑戦するんだけど、
まだそれは雪舟を真似したものという出来栄え。
しかし、その隣の作品が探幽40代の作品。
似たような題材なのだけど、
こっちはすっかりと探幽の技法に昇華されてる。
こうやってみな雪舟の技を昇華させて
血となり骨となり世代を超えていったのだと。
豪華画家たちの雪舟の「カバー」
それぞれの画家たちの雪舟の解釈。
それは雪舟の「トリビュートアルバム」のような
そんな見どころたくさんな本展覧会なのだ。

江戸時代では、身分の高い武家の邸宅にて
雪舟を飾ることがステータスだったらしい。

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