見出し画像

モトツーリズムにおけるバイクとは

 前号にてモトツーリズムとは「バイクによるツーリズム」と定義した。では、そもそもバイクとは何かについてあらためて確認しておきたい。
 バイクは英語ではbikeであり、本来は自転車を指す英単語である。だが、日本ではバイクは一般的にはオートバイなどの原動機付自転車や自動二輪を指す。また、英語では一般的には、エンジンを搭載し、二つの車輪を持つ乗り物をmotorcycleという。したがって本稿ではオートバイなどの原動機付自転車や自動二輪によるツーリズムを「モトツーリズム」と呼ぶこととする。

法律における定義
 バイクに関わる法律として道路交通法と道路運送車両法がある。
 道路交通法は道路における危険を防止し、道路交通の安全と円滑とを図ることを目的として定められた法律である。歩行者の通行方法、車両・路面電車の交通方法、運転者・雇用者などの義務、道路の使用、自動車および原動機付自転車の運転免許、罰則などについて規定している。※(1)
 道路運送車両法は自動車の安全性を確保し、その適正な使用を期するため自動車の登録と検査の制度を設けるとともに、自動車の整備及び整備事業等について規定している。この法律の主な目的は、(1)自動車について所有権の公証を行う、(2)自動車の安全性の確保及び公害の防止その他の環境の保全並びに整備技術の向上をはかり整備事業の健全な発達に資する、(3)自動車の流通社会を発展させ、ひいては公共の福祉に寄与することである。※(2)

●道路交通法による区分
 道路交通法による二輪車の区分は、50cc以下が「原動機付自転車」(原付)で、50超~400ccが「普通自動二輪車」(普通二輪)、そして400cc超が「大型自動二輪車」(大型二輪)に区分されている。したがって、同法による「自動車」の区分に入るのは、50cc超からとなる。なお、運転免許の種類も、この区分に従って分けられている。

●道路運送車両法による区分
 道路運送車両法では、二輪車のうち排気量125cc以下のものを原付として定めている。このうち排気量50cc以下を「第一種原動機付自転車」、50ccを超え125cc以下の二輪車を「第二種原動機付自転車」としている。
 また、125ccを超え250cc以下の二輪車は「二輪の軽自動車(軽二輪)」、250ccを超えるものは「二輪の小型自動車(小型二輪)」として、自動車のカテゴリーに含めている。

             表1 バイクの区分

出所:一般社団法人東京都自動車整備振興会 公式サイトより筆者作成

バイクの免許
 バイク(二輪)免許証は「原付」「小型原付普通二輪」「普通二輪」「大型二輪」に加え、AT車限定の「AT小型限定普通二輪」「AT普通二輪」「AT大型二輪」の全部で7つの種類に分かれている。それぞれの免許によって、排気量や取得対象年齢等の制限があるので、乗りたいバイクに合った免許を選択する必要がある。

               表2 免許の種類

出所:HONDA公式サイトより筆者改変

バイクの種類
 バイクの種類にはスポーツバイク、クルーザー、ネイキッドバイク、アドベンチャーバイク、スクーター、モペッド、ダートバイクなどがある(表3)。
             表3 バイクの種類

出所:筆者作成

 また、サイドカー付きのバイクもモトツーリズムでは用いられる。走行距離、路面、デザイン、目的などに応じて車種の採用が考えられる。モトツーリズムにおいてはツーリストの志向や目的に応じて様々な車種が用いられる可能性がある。 
 このようにバイクに関しては、法律や免許、車種などでの分類がある。モトツーリズムを実施するにあたってはこれらの事項を考慮しながらプログラムの内容や対象者を検討する必要がある。

注釈
※(1)精選版 日本国語大辞典
※(2)一般財団法人 自動車検査登録情報協会公式サイト 
https://www.airia.or.jp/index.html (2024年7月23日閲覧)

引用参考文献
HONDA公式サイト, https://www.honda.co.jp/get-license/(2024年7月24日閲覧)

※トップ画は筆者の愛車のスーパーカブ

             文責:林恒宏(岡山理科大学経営学部准教授)

(一社)モトツーリズム推進機構のサイトはこちら