【脳手術の名医】“神の手”の礎となった道なき道と“赤ひげ”の精神 加藤 庸子
日本人女性初の脳神経外科教授、学会理事に未破裂動脈瘤において5本の指に入る実績を持つ藤田医科大学ばんたね病院。同院の脳神経外科を率いるのが、脳動脈瘤、くも膜下出血に対する開頭手術の第一人者、加藤庸子医師だ。クリッピング術にかけては世界的な名医とも称される。
とにかく忙しい。ほぼ毎日外来で患者を診て、火・水・木曜日は手術で、その数は年に350例に上る。眠る時以外はほとんど患者のことを考えている。
加藤医師が愛知医科大学に第一期生として入学したのは1972年、同級生100人の