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ARCHIVE~まとめ

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過去に発行され人気を博した記事をお届けする「ARCHIVE」をまとまめました!
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#低侵襲手術

【手術の名医たち】脊椎脊髄手術 多くの症例に触れて培った技術で患者にとって最も負担の少ない手術を 田村 睦弘

毎日多くの手術に立ち空間的な認識力と技術を磨く近年、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、側弯症などの背骨の疾患に対し、背中の大きな切開や、筋肉の剥離を抑えた低侵襲手術が行われている。田村睦弘医師はそうした治療を積極的に取り入れ、6000例以上の脊椎脊髄手術を手がけてきた。現在では内視鏡を用いたMED(脊椎内視鏡手術)や、後方からの低侵襲固定術(MISt手術)、体の横から椎間板ケージを挿入するXLIF(腰椎側方進入前方固定術)など、幅広い手技を導入し、一人ひとり患者にあわせて使い分け

【心疾患、大動脈疾患の名医】「選択」と「集中」をモットーに 24時間365日の診療体制で心疾患の多くの症例をこなす 畑 正樹

厚生イズムが作り出す柔軟で自由な診療体制―心臓血管外科と循環器内科の連携は日常ですか。 今では全国どこの病院でも内科と外科による循環器疾患治療の共同作業を行っており、それを「ハートチーム」といいます。当院では昔から実行しています。週1回の合同カンファレンスは普通ですが、当院は廊下ですれ違ったときや医局にいるときでも垣根なく話し合っています。「毎日がカンファレンス」です ―垣根のない自由な風潮は、どのようにしてできあがったのですか。 理事長の目黒泰一郎先生が作った「選択

【消化器内視鏡の名医】わが国の消化器内視鏡手術を、けん引する「大圃組」 大研 研

オンライン受信相談で患者さんの手間を省いた―NTT東日本関東病院は2020年8月からオンライン受信相談をスタートされました。最初は消化管内科のみでしたが、どのような意図で始められたのでしょうか。 患者さんの手間を省きたいという気持ちですね。以前からセカンドオピニオンを求めて遠方から訪れる方が多かったんです。ただ、消化管内科の場合、わざわざ来ていただかなくても地元の医療機関で撮影した写真を見るだけで、おおよそ適応かどうかがわかります。 がんは基本的に粘膜(表面)で発生し、

【小児心疾患の名医】小さな子どもたちを救うため、 低侵襲手術を極め続ける 高橋 幸宏

手術時間の短縮こそが低侵襲そのもの東京・府中市の榊原記念病院の3階廊下には、場に不似合いな人工心肺装置がひっそりと置かれている。約60年前の発表当時最新鋭とされた装置で、ドラムセットのように大きい。この装置の開発は心臓手術を飛躍的に前進させたが、患者の全身循環を人工的に維持するため、手術が長時間に及ぶと身体への負荷を避けられない。この負荷を「侵襲」というが、高橋幸宏医師を支えてきた信念は「低侵襲手術」の一言に凝縮される。 「手術そのものが侵襲であることに加え、全身の臓器発

【心臓手術の名医】患者の一生を診る姿勢と情報開示の徹底で信頼を得る 南淵 明宏

豊富な心臓手術を手がけ低侵襲手術の第一人者でもある南淵明宏医師は、我が国でも屈指の著名な心臓外科医だ。国立循環器病センターなどに勤務したのち、30歳のとき、オーストラリアに渡って腕を磨いた。帰国すると、首都圏の民間病院を中心にメスを振るった。これまでに執刀した心臓手術は8000例以上。勤務していた民間病院で、「成人の心臓の手術件数日本一」という記録を打ち立てたこともある。手術創が小さく、手術時間も短い「midCABG」という低侵襲手術では、第一人者と目されている。現在では、昭