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証券口座 1 銀行口座との違い

銀行は、顧客からの「預金…の受入れ」を行うことができます(銀行法2条2項1号)。この「預金」の受入れは、銀行業の免許を取得しなければ認められない業務です。

一方、証券会社は、「その行う第1号から第10号までに掲げる行為に関して、顧客から金銭…の預託を受けること」ができます(金融商品取引法2条8項16号)。

この金銭の預託を受けることは、銀行法の「預金の受入れ」とは区別されます。証券会社は、あくまで「その行う第1号から第10号までに掲げる行為に関して」金銭を預かることができるだけで、預かった金銭の運用等は、原則、できません。

銀行の預かる金銭は、「預金」と表記するのに対し、証券会社の預かる金銭は、「預り金」と表記し、両者は用語上も区別されます。

例えば、東証一部上場の株券の買付けを行おうとする場合、顧客は証券会社に口座を開け、買付けに必要な金銭を銀行口座から証券口座に振り替えるとともに、証券会社に対し買付けの委託注文を行います。

証券会社は、顧客から委託された株券の買付け注文を取引所に執行するとともに、顧客の証券口座に振り替えられた金銭を買付け代金に充当します。

その後、顧客が買い付けた株券を売り付けた場合は、売付け代金は、顧客の証券口座へ振り替えられ、顧客が次に新たな買付けを行うまでそこでプールされます。

証券口座に預けられた金銭は、基本的に寝かされたままであり、運用はされません。また、利子が付くこともありません。

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