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『人の本性が暴かれる瞬間を、私は見た!』第2弾

これも数十年前の経験です。

ある団体の合宿の付き添いで地方に行きました。午前・午後と予定は滞りなく過ぎて、お楽しみの夕食の時間になりました。

総勢30人ぐらいの男性たちと、私たち5人の女性スタッフが一堂に会するのです。ウキウキして座敷に入った私たち女性に対する男性陣の視線が泳いでいました。「なぜ?」という疑問はすぐに解けます。

なんと、責任者が私たち女性の夕食の申し込みをし忘れていたのです!一日中団体の世話をし、さあ、これからという時にハシゴをはずされたのでした。

今からの食事の追加は無理ということになり、私たちは「いいですよ~、いいですよ~」と、『笑顔』でその宿舎を出て、小雨が降る田舎の商店街に食料を買いに行きました。もう疲れ切って歩く元気もないのですが。

夜の8時を過ぎていたこともあり、スーパーに残っていた少ない食料を買い占め、部屋に帰ってお待ちかねの食事タイムが始まりました。

この女性たちの中で新入りは私ひとりで、あとは強者ばかり。意見すら言えない縦社会。食材はあっという間に彼女たちの胃袋に消えていきました。もちろん新入りの私は、箸を伸ばす勇気もないまま時間が経過していきます。

食べる物が残り少なくなっても、彼女たちのおしゃべりはとどまるところを知りません。観念した私は、先にお風呂に行くことにしました。さて、話はここからです。

「あ~、いいお湯だった💛」と部屋に帰ると、誰もいません。「えっ?」と思いながら、食事をしていた部屋に入った途端に私の目に飛び込んできたのは、「食い散らかした」スーパーの『トレイの山』でした。ビールの空き缶もいっぱいテーブルに転がっています。彼女たちは後片づけもせず、そろってお風呂に逃げ込んでいたのでした。

呆然として立ち尽くす私の脳裏によぎったのは、「このまま片付けをせずに寝てしまったらどうなるか?」でした。もちろんタダでは済みません。結果は火を見るよりも明らかですよね。

渋々大量の残骸の片づけを終え、疲れのため、ヨロヨロしながら人数分の布団を敷き終わり、自分の布団に潜り込みました。やがてお風呂から帰ってきた彼女たちの声が聞こえてきました。「あら、〇〇さん(私のこと)、片付けてる~。アハハハ~。」「あっ、もう寝てる~」でした。
何事もなかったかのように振舞う彼女たち。

それでも夜は更けていき、朝ご飯を済ませて帰りのバスに乗り込みますが、ここからが大変でした。観光バスを1台貸し切りにしていたのですが、途中で故障してしまったのです!田舎道で…

責任者がバス会社と連絡を取っていましたが、代わりのバスが来る気配はありません。夏の日差しは強くなる一方です。もう代わりのバスを諦め、重い荷物を持ち、トボトボと最寄りの駅まで2時間ぐらい歩きました。踏んだり蹴ったりとはこの事ですよね"(-""-)"

昨夜の悲しい思い出を胸に、我が家に帰り着いた時は、心からホッとしたものです。

団体行動は良い面や楽しいことも多いですが、先輩・後輩というような「縦割り社会」でもあります。今回は新入りならではの悲哀をお話してみました。

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