『ぽえむ』~美しいものへの憧れ~

世界の果てまでも風を追って行ってみよう
どこまでも、どこまでも
いつかこの手に掴むことができるのか

遥かなる憧れの大地へ
あなたに逢いに行こう
待っていてくれるだろうか
柔らかな、その花のようなまなざし
しなやかな衣擦れの音

いつも待っていた
あなたに逢えるのを
ささやきは耳にやさしく、心地よい
夢は覚めないようにそっと手のひらに捧げ持つのだ
そうすれば去ってしまうことはないだろう

森は静かに息をひそめてその姿を迎える
緑の木々はざわめき、喜びに震える
あたかも光の精に魅入られたように

黄金の髪の乙女よ

風に誘われて舞うその姿は、永遠の妖精
指先が木の葉に触れると光の雫がこぼれ落ちる
大地に届く前にまぼろしになって、霧のようにあとかたすらも残さない
さあ、記憶の中に留めるのだ
その輝きを
その姿を

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