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Jリーグが今さらnoteを始めるワケ

 Jリーグ・コミュニケーション部の吉田です。本日よりJリーグ公式noteをスタートします。

 Jリーグは1993年に開幕し、今年29回目のシーズンを迎えました。年間の総入場者数は1,000万人を超え、トップカテゴリーであるJ1は新型コロナ禍前の一昨年までは1試合平均2万人弱のファンを集めていました。リーグ公式サイトは月間平均の約150万人のユーザーに楽しんで頂き、公式twitterのフォロワー数も60万を超えるなど、プロ野球や大相撲と並ぶ日本を代表するプロスポーツとして多くの方々に知られる存在になっています。

 そんな我々Jリーグがなぜnoteをする必要があるのか?
 
 それは、多くの方々に知られているはずの我々Jリーグが、実のところはちっとも知られていないという事実と日々直面しているからです。この一見矛盾に満ち溢れた事実について個人的な経験から少しご説明させて下さい。

 私は12年前、公募採用に通過してJリーグに転職しました。いつの日か日本サッカーのために貢献したいという思いが通じて意気揚々と乗り込んできた私でしたが、その後は名刺交換や自己紹介をするたびに常に付きまとう呪縛から抜け出しきれないまま現在に至っています。その呪縛とは「Jリーグで一体何してるんですか?」という素朴な疑問です。そして続いて出てくる言葉は「審判ですか?」「日本代表とかやってるんですよね?」「ゲーム以外の日は何してるんですか?」のオンパレード。

 ようするに、我々のようないわゆるJリーグの「中の人」の仕事は28年経過した今でも全く理解されていないのです。というのも、Jリーグにはどういった仕事があって、各セクションはどういった役割を担っていて、日々どのように働いているのか。我々がそういった組織としてのJリーグを自発的に伝える作業をほぼしていなかったといっても過言ではありません。
 
 もちろん、理事会でこういった決議があったとか、こういうルール変更がありましたといったファクトを伝えるという中で我々の仕事を間接的に伝えることはありました。しかしながら、それはあくまでもファクトベースであって我々の組織そのものに踏み込んだものではありません。

 これまでの時代であれば、我々のような仕事は「黒子」の存在として積極的に公開する必要性がなかったという歴史的背景もありました。あくまでも組織の顔であるチェアマンや幹部が表に出てマスメディア相手に向き合うのが基本でした。
 
 しかしながら時代は変わりました。ソーシャルメディアが勃興する中、誰しもがSNSを活用してJリーグを語っています。プレーヤーたちも試合終了後には我先にInstagramに自らのプレー写真をアップし、ひとたび気になる事象が発生したらTwitterに忌憚ない意見を投げ掛けてきます。日本代表でも活躍した浦和レッズの槙野選手にいたっては自腹で専属カメラマンを雇用して自らのブランドアップに努めています。

 多くのファン・サポーターもそれぞれの感性でJリーグを語っています(時にはそうした投稿がいわゆる炎上騒動となって私たちを悩ますこともありますが)。noteを見回してもJリーグに関する実にオリジナリティに富んだ投稿を見ることが出来ます。そんな中で我々が自発的に我々自身や我々の仕事を語ることをしていないというのはあまりにも時代遅れと言わざるを得ません。そもそも我々が情報を提供していないから、我々のことが語られることなく、結果として私を悩ます呪縛の現況となっているのだということをもっと我々自身が自覚しないといけないと悟ったのです。

「我々が何者であるかについて我々の言葉で語る」

 これが、我々Jリーグがnoteを行う最大の理由です。時代は令和を迎え、我々の成功をもとにバスケットボールがプロ化しBリーグとして新しいスポーツビジネスとして成功を収めています。ラグビーもまた新リーグ化に向けて大きく舵を切っています。もはや我々はスポーツ界におけるイノベーターではなく、彼らに追われる立場に他なりません。
 そんな立場だからこそ、競技としてのJリーグだけでなく、スポーツビジネスとしてのJリーグを知って頂く機会を数多く創出して、スタジアムに行かないけれどもJリーグに興味を持って頂くような情報をこの場で提供することが大切になってくると感じています。

 このnoteでは マスメディアでは語り尽くせないJリーグの魅力やスポーツに少なからず興味関心がある方々に刺さるコンテンツを表現することで、少しずつですが我々が何者であるかについて理解して頂けると信じて書き続けたいと思います。

みんなにも読んでほしいですか?

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