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映画「さがす」を観てきた

※ネタバレあり。観てない人は注意してください。

Instagramでフォローしている漫画家さんが、こちらの映画を「傑作」と絶賛されていたため、何となく気になって観に行ってきた。

作品のあらすじは全く知らない状態で映画館に向かったのだが、上映が始まって30分も経つ頃には、そのあまりの怖さに「もうやめてくれ…。」と心の中で唱えまくり、軽率にこの映画を観に来てしまった事を公開していた。
隣に座っていた男性が映画が終わった時に泣いていたのだが、私も色んな感情がごちゃ混ぜになって、泣き出しそう&叫びそうになるのを終始ギリギリで我慢していた。

グロテスクな描写、物語の先が読めない恐怖、登場人物の理解できない行動や性癖に対する恐怖など、色々な種類の「怖さ」をこれでもかと見せつけられた気がした。

個人的に特に印象的だったのは、終盤のクーラーボックスの蓋が開くシーン。
佐藤次郎さん演じる原田が家に入った時に、部屋に置かれたクーラーボックスが一瞬目に留まる。そして、一連の出来事ののちに、美しいBGMをバックにゆっくりとクーラーボックスの蓋が開いた瞬間の「ああ…」というやるせなさと衝撃とが一気に押し寄せてきて、比喩とかじゃなく本当に手が震え、過呼吸になりかけたのだが、映画を観てここまで気が動転したのは初めてだったので、自分でも驚いた。
(美しさをもって恐怖のクライマックスを描く感じは、「パラサイト」のあのシーンを観た時の感情ともちょっと似ているかもと感じた。)
怖いシーンに時折差し込まれる美しい海などの自然が対比的で、常に気が休まらずハラハラと落ち着かない気分だった。

わざわざ言うまでもないが、役者さんの演技力も全員凄まじく、清水尋也さんを見て「死んだ魚の目」って本当にできるんだ…と思ってしまった。(まだ22歳ということを帰り道に知ってダブルでびっくりした)佐藤二郎さんのいつものコミカルな役とのギャップはもちろんのこと、女教師や彼氏(?)の「決して悪い人ではないけど良い人でもない」感もリアルで、すごく嫌な気持ちにさせられた。

私は映画にはあまり詳しくないので、今までにも、連続殺人鬼が登場するようなグロテスクな小説などは読んだ事があったが、「映像」ならではの怖さというものをこの作品で初めて体感して、もっと色々な映画を観てみたいなと思った。
山内照巳(清水さん)に習って帰りは唐揚げ弁当を買って帰り、むしゃむしゃと食た。





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