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生まれてはじめて自分の悲鳴で起きた話

安直なタイトルで一体何を言うんだって感じですが、まぁそのまんまのお話です。怖い夢を見たんです。8月最終日の夜のことでした。

仔細は省きますが、ぼくは何かものを探しに古い建物に行っていました。ここは本当に〝出る〟から嫌なんだよな。前に来たときも……。そんなことを考えながら歩いていた時でした。ああ、いる。そう感じ左を向くと、血だらけの人の顔が浮かんでいました。やっぱり、と思う間もなく、血だらけの人が一瞬で間を詰めてきたのです。

弾かれたようにぼくは走り出しました。振り向けば血だらけの人ではなく、異形の者が追いかけてきたのが見えました。だから来たくなかったんだ。そんなことを考えたような気がします。すると、走っていたはずが、ぼくの身体は右半身を下に横たわっていました。しかも、身体は動かない。
どんどん異形の者が近づいてきてます。まるで乗り移ろうかと言わんばかりに近づいてくる。呼吸が荒くなっていることに気が付きました。手をバタつかせ、追い払おうとしてもそれは近づいてくる。顔の目の前に迫った時、ぼくは悲鳴を上げていました。

ここでぼくは目を覚ましたわけです。怖い夢を見たことよりも、この歳になって夢ひとつで悲鳴を上げた。その事実に恥ずかしさとショックを受け、自失呆然としました。冷や汗も書いていない。心音も通常通り。なぜ悲鳴を上げてしまったのか。それも目が覚めるような悲鳴を。ただただ、その事実にショックを受けていました。

今冷静に考えてみれば、目覚める直前の半覚醒状態のような状態だったのではと思えます。夢の中の自分と現実の自分。この役割が入れ替わっていたのでしょう。右半身を下に動かない。これはぼくが目を覚ました時の寝姿と同じでした。つまり、夢の中の自分は現実の自分のように寝ていただけだったのです。

逆に現実の自分は夢の中の自分がするはずだった行為を行っていた。呼吸を荒げ、暴れながら悲鳴を上げるのは本来ならば、夢の中の自分だったはずなのです。それが目を覚ます直前の半覚醒状態だったために、役割が入れ替わってしまったというわけです。何を言っているか、分かりませんね。まだ動揺しているのかもしれません。

悲鳴を上げた動揺が少し落ち着き、次に浮かんだ疑問はなぜ怖い夢を見たかです。ぼくは割と影響されやすいたちなので、何かあれば直ぐに夢に見てしまいます。しかしぼくはホラーは大嫌いで、基本的に観ません。しかも現在はコロナ化の影響か、ホラー映画の公開がなくCMでも観ない。つまり、最近はホラーに触れる機会が全くなかった。にも関わらず、怖い夢を観た。なぜか。この疑問の答えがでなければ、また直ぐにでも同じような夢を見るでしょう。そう。怖くて中々眠れないのです。お前は一体幾つになったんだ。

異形の者に追われる夢を見る時、人は何か不安に陥っている時だと聞きます。しかし、ここ最近は仕事でも対人関係でもノンストレス気味で不安に襲われる要素はない。あるとすれば、このまま一生独り身かという恐怖と寂しさくらい。まさか、一人で淋しい、このまま一人だったらどうしようという不安で怖い夢を観たなんて、そっちの方が恥ずかしいしショックです。

ああ、一体何が原因なんだ。落ちも中身も何にもないへんてこな文章を書き、ぼくは今日も眠りにつくのです。

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