見出し画像

企業人材育成コンサル22年目の今~キャリア自律について話そう⑪通説のウソ

本日はある調査結果から次の2つの通説は間違っている!という内容でお届けします。

通説その1
日本女性はプル要因のみで退職する
(プル要因とは、親の介護や育児を指します)

実際は違う調査結果が出ています。
日本では32%がプル要因。
アメリカでは74%と日本よりも高いことが分かります。

では日本女性の退職理由は?

プッシュ要因です。

プッシュ要因の一つ目は仕事への不満。
二つ目はキャリアの行き詰まり。

日本では仕事への不満が63%と高いという結果。アメリカでは26%です。

キャリアの行き詰まりは49%と約半数という結果。アメリカでは16%です。

このようなプッシュ要因により日本女性は労働市場から退出しているという事実。

これに対して会社側ができることは組織内のカルチャーの変革であることは周知のこと。上手くいかないのは、本気ではない、ということに尽きると思います。

心のどこかで、ムリだ、キャリア志向は稀で女性の多くは家庭への意識が強い、下手なことを言えば叩かれる…

女性側ができることは私は「発信」だと考えます。

制度や落ち度に反応する、或いは反応ばかりしている、これも一つの発信です。その意図を会社側は汲み取ると思います。

ただの反論に留まり、建設的でなければ無視されても仕方ないでしょう。そのように受け止められるにはそれだけの理由があるという考え方もあります。

一方、ただの反論ではなく、意見やアイディアとなれば、一緒にカルチャーを作っていきましょうという考えの発信と受け取ることができます。

後者は、権利だけの主張ではなく、義務も果たすという覚悟が感じられますね。

このように、組織の変革には本気で向かっていかなければ何一つ変える変えることはできません。互いに胸の内を明かしていきましょう。誤解があれば正せば良いです。上手く伝わらず、或いは偏見(アンコンシャスバイアス)が出てしまっても謝罪しながら進めましょう。

オブラートに包みすぎて議論ができない、意見が言えない、という実態をそろそろ打破しなければなりません。

誤解だ、と理解してもらえる土台が無い場合(日頃のコミュニケーションが希薄で互いがどういう人間性か分からない)こそ、まずは小出しに接点を持ちましょう。いきなり本題は無理ですよね。日頃の小さな接点の積み重ねで信頼関係が生まれます。まずはここから。

通説その2
女性の就業率上昇は出生率の低下を招く

実は、これは全くの真逆という結果です。

女性の就業率の高い国で出生率が高く、
女性の就業率が低い国で出生率が低い。

日本の47都道府県でも観察されています。

出生率の低下は少子化問題として挙げられますが、女性が仕事に就くと子どもが減るというのは間違いということです。

この誤解に基づいた心無い反応は近所づきあいでも見られ、常々、変わらないなと感じます。私も10年前に近所の方から言われました。「仕事なんかしているから子どもができないのよ」と。衝撃的でした。10年経った今でも「子どもより仕事の人」というレッテル。

女性には仕事と子どもや家庭というバランス問題のようなものがついてまわります。このバランス問題にこそ、偏見の温床。

年代的な考えを押し付ける「年代」の振る舞いにも、私たちは或る意味「無関心」になることをおススメしたいです。

例えば夫婦が互いに働いているのに、義母や義姉がやってきて、「部屋がちらかってるけど〇〇子さん忙しいの?」「ご飯だけど〇〇子さん今夜これを使って。これを△△に食べさせてやって」と、妻がやる前提。夫婦で日頃から役割があるにも関わらず。となると、夫もそれに乗っかり、ソファでくつろぎ、忙しく動き回るのは妻。

もしこんな状態が不快!辛い!面倒!と思えば、スルーしましょう。言葉より態度で、の方がエネルギーを温存できます。「そうですね~」と受け流して対応する必要はなし。自分がやりたいと思う時だけでいいのではないでしょうか。

前にも書きましたが、私たちのキャリアや想いを阻止するストッパーは、身近にこそ存在します。

年齢も生きてる時代も違うのですから、年代差で惑わされることはありません。心理学的にも、自分が体験した苦労を他者にもさせたい、他者もすべきだという気持ちがあるとされています。

実の親であれ、子どもには苦労させたくないと思いつつも、私ばかりが大変な思いをしている!と思う親もいてそれを義理の娘に強いる、または知らず知らずのうちに実の娘にも強制する。その道しか知らないので仕方無いとも言えますね。経験していないことをアドバイスできない。上に立ってモノを言いたい、という性格の方ならなおさら。自分が優位になるためには自分の経験を相手にもさせることで上に立つ、という傾向があるのも事実です。

私たちは、自分で未来の方向をみて、年配者が生きた過去からも学び、自分を導いていかなくてはなりません。

自分をリードすることができない人は人をリードすることなどできません。家庭でも職場でも。

いかがでしたか?
本日は2つの通説の誤解を解き、目を見開いてまた新しい景色をみましょう。そんな思いでお届けしました。

次回は「そもそも違っていい。上に立つ場合の男と女のマネジメントの違い」をお届けします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?