【サンクコストバイアス】

サンクコスト・・・すでに支払っていて取り戻すことのできない費用のこと。埋没費用とも。

このサンクコストによって生じるバイアスは不合理な判断をもたらします。

たとえば、あるテクノロジー企業X社を例にサンクコストバイアスについて考えてみましょう。
この会社は空飛ぶクルマを開発しています。
すでに9年の研究期間と85億円の研究開発費を投じ、現在プロジェクトの進捗率は85%。
あと1年の開発期間と15億円の資金を投じれば空飛ぶクルマが完成する見込みです。
そんな時、別のテクノロジー企業Y社がより高性能な空飛ぶ車をより安価な費用で完成させたことが判明しました。
X社が空飛ぶクルマを完成させたとしても、Y社との競争に勝てないことは明らかです。
X社は空飛ぶクルマの開発を続けるべきでしょうか?
その際の意思決定は、これから先1年間の開発期間と15億円の資金を投じることに見合ったリターンが得られるか?
Y社との競争に勝つことができるか?
などを基に判断されるべきです。

ここでプロジェクトを中止したら既に投じた研究期間と費用がもったいない?
既に投じた時間や費用(サンクコスト)は返ってきません。
サンクコストは無視するべき費用なのです。

投資の世界においても、このサンクコストバイアスと似たような罠にハマった経験はありませんか?
くれぐれも前回のトレードによって生じた損失を理由にナンピンをしたり、ロットを上げたりなどとしないことです。

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