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鉄道模型・自作室内灯制作

少し前にですが、実父が亡くなり、家の片付け等もあって、一旦職を辞して、今は片付け合間にまとまった時間がある内にやっておこうと思うことをしていたりします。

そんな中で、昔から宿題で残っていた、鉄道模型の室内灯作成というのをやっていました。
室内灯もメーカー純正のものを使うと、結構コストがかかるので、色々な形で自作室内灯というのはネットで試行錯誤されていました。
これができるようになったのは、小型のLEDが安価で手に入るようになったことが大きいですね。

ここに至ったのは、その昔、夜景のある貸しレイアウト店で20系寝台車を走らせていたのですが(いわゆるブルートレインといわれるものの元祖です)

20系「さくら」フル編成。当時は室内灯なしでした。

そのときには、他のお客さんに「せっかくのブルトレに室内灯を入れていないのは勿体ない」というようなことを言われました。
とは言っても、室内灯ってメーカー純正だと、一両600円くらいしますので、上のようの15両近くだと、10000円近くしてきます。寝台列車「さくら」好きからすると、これ以外の編成にも入れるとなるとひぃぃぃ。
自作だと、LED等の部品代を計算をしてみると、1両100~200円前後で作れる。
だとすると、自作にチャレンジするしかない。

そこから苦心の道のりが始まります。
最初はその頃ネットでも話題になっていた夕庵式と呼ばれる方法を試作します。
これは、普通の(砲弾式の)LEDライトをブリッジダイオードを介して車端につけ、アクリルの棒を導光材として使用し、室内を光らせるもので、純正と較べても半値くらいでできる、安価なものでした(しかも純正よりもムラなくキレイ)

↓のサイトから拝借しました。夕庵式のキレイな製作例。
https://pds.exblog.jp/pds/1/201801/25/87/b0062687_09003127.jpg



ただ、自分が作ったときには、導光材のアクリルの棒を入手するのが苦労したことと、アクリル棒をうまく乱反射させるようなやすりがけ加工をしないといけないなどがあり(LEDは直線に光る傾向があり、アクリルで乱反射しないと、単に端から端にまっすぐの光が照射される)、一両分作るのに、すごく苦労し、しばらく挫折をしていました。

そこで目をつけたのがテープLEDです。テープLEDの端に、ブリッジダイオードを取り付け、極性を固定することで、列車の走行方向に関係なく光らせることができる(鉄道模型は2本のレールの極性を入れ替えることで、列車の方向転換を行うシステム)というところまで、割とすんなり行きました。


こちらから画像を拝借↓テープLED室内灯の取り付け例です。
むら無く室内を光らせられるのがいい!
https://blog-imgs-127.fc2.com/v/i/s/vista2nd/blog_import_5cba5552d112f.jpeg

ところが、次の壁は、この極性を一定にするために必須となるブリッジダイオードのハンダづけです。
手先が器用でなかったものですから、ブリッジダイオードも大きめのものを使っていたので、そうすると、今度は肝心の模型に入れるときに、その大きさが仇になってきたりもします。
無理に入れるとハンダが外れたり、ダイオードの足がもげたり。
また、車両に無事入っても、肝心のレールから集電経路の方法に苦労したりしていました。
銅板を車両中に這わせたり、アルミホイルやシートを使ったり、などなど。
油断すると、すぐに左右の線が接触→ショートしたりするし。

なんやかんや2週間くらいかかった14系「さくら」
長崎編成だけなので、まだこのあと6両の佐世保編成の作業も。。。
2015年頃の作業。

ただ、これも値段はいいんですけど、慣れていなかったのもあって、作業コストに合わないなぁ・・。とこれだけやったら終わりにしようか、と思っていたんです。でもどうにか家にある寝台列車と、なんとなく新幹線はやっておきたい、という感じ。

そのあとは、色々試行錯誤したのですが。

阪急6300系「京とれいん」に入れた例。
豪華感を出そうとしたのですが、黄色キツすぎ。
娘から「火事で燃えてるのか」とか言われた。

ブリッジダイオード(まぁ、5ミリ角ほどのものなので・・)のハンダ付けに苦しめられ、その他にチップ抵抗やチラツキ防止につかうコンデンサなどの小さな部品(1mm角くらい)や、集電用の銅製リン板のハンダ付けに苦しめられ・・という感じでした。

そんなこんなでここ数年放置していたのですが、たまたま動画でみたもので、ヒントを得て、再考した上で挑戦してみました。

ともかく、部品を大きく作ってしまっては、入れるのに苦労するので、ブリッジダイオードなどの小さい部品のハンダは慣れるしかない。上の阪急のようなケバケバしい黄色も、抵抗を入れて減光すれば、豪華車両に使えるのでは??というので、1~2mm角ほどのチップ抵抗をひたすら使えるように訓練しました。
さらに集電機構とブリッジダイオードまでの電気についても、エナメル線を使って処理をするという方法に気づきました(最初は銅線での処理を考えたのですが、これだと接触するとショートの原因になるので諦めた)。

これなら肝心のLEDライトと集電部の設置方法、双方に自由が効きます。エナメル線なら、ハンダ用に剥き出しにした部分以外は接触しても、通電しない(=ショートもしない)これに気づいたのは大きかった。
しかもエナメル線を使って、テープLEDを途中で繋げば、一つの車両で違う色のLEDテープを混在させることも可能なので、↓のようなこともできる!

新幹線100系グランドひかり。2階建てが4両というバブル最盛期を象徴するような列車。
2階席はグリーン車・食堂車、1階は普通席でした。
室内灯は、レールから2階部の蛍光色への給電を行い、
2階部のLEDの途中からエナメル線を使って1階の白色部分の電力をもらって光らせています。

また、例の阪急で使った「黄色すぎる」LEDも、取り除いて抵抗で減光することで、ひのとりのプレミアムシート席に転用

近鉄「ひのとり」先頭車プレミアムシート部。
客席は暖色系ですが、ドア部は白色なのに注目。途中でテープLEDを変えてます。

ここに来るまで、長いことかかったのですが、やっと自分の納得行くものができるようになった・・という感じですね。
それまでの過程で、半端になったテープLEDがいくらかあるので、暖色系と白色灯系では印象が変わるので、新しく室内灯を入れたいと思う車両に、仮に入れて印象把握をする。。。というをする余裕が生まれてきたり。

亡き父親も、こういった工作といいますか(電気工作ではなくDIYというか、木工だったり加工だったり)が好きで、私も小さい頃にはおもちゃを作ってもらったり、こういった工作に助言をもらったりしていました。(あと、体が鈍らないように、ボケ防止も含めていろんな加工をやってもらったり)

ここまでできるようになった、というのは父に見てもらいたかった・・という気持ちもありますが、こうやって休んでいる間になにか天啓のようなものを得て進められたのは、これはこれで工作好きだった父がくれた形見なのかもしれない、と思ったりもします。さて、次は何を作ろうかな。
(まだ模型そのもののしかかり品などもあったりするのですが、それはそれ)

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