3年夏の大事件

最近の落研の後輩たちの大躍進を割と近場で見させてもらい

落研の青春感というか、夏芸会の雰囲気を感じさせてもらっています。

そしてnoteの続きを書きたい!と思わせてくれました。

今更続きを書いたところで『もう誰も見ねーよ!』なり『あなたの落研史に興味なんかありませんけど?』なり『そもそもあなた誰ですか?デスコアラって誰?面白いの?裏方?コンビ何やってたやつだよ!解散しすぎでklmsdじょいj』

うるせーーーーーーー!!!!!!!

僕のこのnoteが誰か1人の人にでも、落研の熱さとか青春感の言語化としてブッ刺さってくれたら嬉しいです。僕がめちゃくちゃ売れたら、多少ぼかして書籍化したいと野望を抱いているので、続くように皆さんからのモチベキープお願いします。『これが青春というやつだよ!!』

というわけで本編に

夏芸会、福光祭を終えいよいよ夏学期間!

というときに8期二役から「二役とデスコさんでお話があるのですがいいですか?」って連絡が来た。

その時は「何だよぉ〜執行交代したばっかで大変だもんな!わかるわかる。俺で良ければいくらでも頼ってくれていいからねぇ〜」くらいの呑気な気持ちで日程調整をして、夏学の初ネタ見せ前日に4人で話すことが決まった。

それから時は経ち、約束の日の朝。

僕は忙しく動く47期ラインの通知オンで起きた。

「ちょっと緊急期ミーティングしよう!」「なんで?」

何やら騒がしいなぁ。そんなのは二役通してからにしてくれよ。

Trrrrr電話が鳴った。たけしから。もしもし?




『カーテンがGPAを切ってるって話聞いたんだけど?!』




たけしは電話口からも動揺が伝わるくらいの口調で、それでいて責める、詰めるというよりは、僕にこの話を伝えなきゃという感情で話してくれた。

たけしに一言

「わかった。カーテンに確認する。」とだけ伝えてすぐに電話を切った。

こんなにも冷静に電話を切ったのには理由がある。

僕は知っていたから。

相方にすぐ電話をかける。

すぐに出て彼は「今日コメダでいい?」

ネタ見せ前日だったから元からこの日にネタ練りをする予定がった。

夏負けてからの一発目のネタ作り2人ともすごい気合が入っていた。ライブで大森すら飲み込んでほんとの優勝は俺らだって言ってやろう!そんな気概で臨む今日

「お前がGPA切ってるって話出てるけど本当?」

そう ただ聞いた。彼は2分くらい何も言わなかった。

この間が真実であることを物語っていた。

「今日の夜、8期二役と話すから来て」とだけ伝えて電話を切った。

鎌をかけるような言い方を開口一番したことは、今となっても宮澤正伸という男の小ささ、性格の悪さを象徴していると思う。


彼は僕がこのことを知っていることを知らない。

僕は2年の冬芸会の後Yさんに彼がGPAを切り続けていることを聞いていた。

この時の話は『2年NOROSHI完結。』にて詳しく書いているので参照してください。


正直このことは知っていたが、前期活動をしていく中で忘れかけていた。

あれほど悩んで黙って活動しようと、罪悪感を背負って決めたことなのに

自分勝手にも活動をして、ネタで受けたり滑ったり、後輩がさらにできて慕われたり、芸会で戦う自分たちに酔って都合の悪いことを考えないようにしていたんだろう。ほんとに後悔しても自業自得の出来事だった。だけどこの自業はあまりに人に迷惑をかけるものだった。


約束の時間までただベッドに寝て天井を見るしかなかった。

もうコンビがどうなるか、今後自分が、落研がどうなるか何となく想像できた。

人生で初めて無力感というものを感じた。


家を出るときに、明日の初ネタ見せに向けて、山内がカンボジアと新たにコンビを組んで楽しそうにリビングでネタ練りをする姿が見えた。ごめん。


シャンプーの家に行くと3人は揃っていて、早速話した。

気まずいだろうに しんすけから切り出してくれた。

全て3人に入っている話を聞き、自分が知っていることも全て伝えた。

僕が切っていることを知っていたということを受けた3人の反応は三者三様だった。否定的な言葉や失望のような言葉も出てきていた。僕はその言葉を受け入れた。「そんな日本一をとって意味があると思ったんですか?」一番効いた。

後でメッセージにシャンプーは「デスコさんのことをわからなくなった時があった」と書いてくれていたが、おそらくこの時のことだろう。


本当にこの言葉の通り。

「俺が必死に取りたかった日本一ってこんな日本一だったのか」

「皆が喜ぶ日本一?」

「指針体現の漫才って?」

自問自答のインタビュアーが次から次へときつい質問を投げかけてくる。黙る自答。


謝るしか3人にはできなかった。

この後、相方が到着し、5人で話し合い。と言っても事実確認と今後の落研のためにも例外なく活動は認められないっていうことの確認で僕たち先輩2人は頷くしかできなかった。

一旦全てを知るY先輩に来てもらって、カナディアンロッキーとYさんの3人で話した。僕はなんか自分の罪悪感とかこの先の不安が強すぎて、彼に感情的にぶつかることができなかった。

なんかカッコつけてかわからないけど冷静ぶって、

今後の話とか、大学は辞めるなよとか

ホントはお前のせいで日本一取れなくなったじゃねーか!俺の3年間なんだと思ってんだよ!後輩に迷惑かけてまでなにやってんだよ!

そんな言葉言えなかった。ブーメランなのもわかってたし。けどこんなに真っ直ぐ相方と向き合うことができていたら。あの真実を聞いた冬に2人で話し合えていれば何か結末は変わっていたかもしれない。

僕はダメな人間だ。

お笑いや、後輩や、大会や、ライブ。部長職。全てやり切って深めているようで何も大切なことをわかっていなかった。

人間として成長しているつもりで本質は何も変わっていなかった。嫌なことから目を逸らし、好きなお笑いに逃げていただけ。だけど落研という環境は、お笑いに逃げていても逃げているように見えない。むしろ戦っているように見えてしまう。

逆にお笑いのことよりも人間的にもがき苦しんでいる人間の方が、落研部員であり

指針根本なのだと思う。


この時にはわせおさんと副部長二人には連絡した。

わせおさんは「お前のことの方が心配だ。抱え込むなよ」って言ってくれた。

副部長二人はすごいいい意味で一緒にパニックになって、一緒に絶望してくれた。ただ謝るしかできない僕を責めることなく、今後のこと、僕のことを一緒に考えてくれた。


全ての話を終え、8期二役とまた4人。

・明日のネタ見せはどうなるのか?

について会議。急に出ない演者いる中で、この話を知っている人と知らない人がいる中でネタ見せするのは良くないという理由で延期。そして明日をどのように連絡し伝えていくかの話し合い。

僕は辛すぎてカナディアンロッキーのデスコアラであることを殺し、先輩部長として助言をしたりしていた。

前者でいると迷惑をかけた罪悪感で何も言えなかったから。


一応ネタ見せが延期になるってことで、演者長であったアナログにも相談。

アナログ家に着くと、一階にはネタ練りで集まる後輩たちの姿が見えた。

後ろめたさが階段を上がるスピードを上げた。

アナログの部屋に入り、ことの顛末を全て話し、ネタ見せの延期について相談した。

僕とアナログ実は微妙な関係性だった。

もともと一年生の頃から仲は良かった。

けど僕は彼の頼りない演者長としての姿勢に信頼を寄せていなかったし、アナログも僕に演者としての威厳を取られまいと最後の方では心を開いていなかった。

彼が演者長として強く悩んでいたことも知っていたけど、僕たちは執行が終わるまでの期間、結局真の友にはなれなかった。

そんな関係性だったから、アナログには迷惑をかけてごめんってことと、8期二役どんな指示をすればいいかの相談だけのつもりで淡々と話した。


ん?


アナログは泣いていた。初めて彼の涙をみた。彼自身人前で泣くタイプで全くなかった。そんな彼は

『なんでデスコがこんな目に…   一番頑張っている人が何でこんなことにならなきゃいけないいんだ…』

と言って号泣してくれた。

心を開いてくれてない。なんて心を閉ざしていた同期は一番戦っている姿を見てくれていたし、一番苦しいときに涙を流してくれた。

僕もこの日初めて泣いた。

大学3年の男2人が小さな部屋で泣いてる。外から見たら異常な光景だったろうな



その後、べスボともその部屋で話した。彼は一足先に二役と話していてピンでやるためネタ練りにきていた。同じ境遇に晒された2人は決意を共有した。そのときにベスボの男らしさを感じた。

ひとまず、明日のネタ見せは延期、明日は7・8期での緊急期ミ。一年生にはシークレットでということに決まり、長い1日を終え帰宅。


家に着くと、楽しそうにカンボジアとネタ練りをする山内。彼がコンビのことお笑いのことでどれだけ悩んできたかは知っている。ちゃんとコンビを組み直してまた漫才ができる。楽しみだったんだろう。

「あっデスコさんおかえりなさい!」

「ただいま。多分明日ネタ見せないわ!延期になるっぽい!」ごめんな。



その日は意外にもスッと寝れた。

次の日、合同期ミの記憶はほぼない。

まずことの経緯とか事実、自分は知っていたことなどをみんなに話して

しんすけの進行のもと、当事者3人が出てきて謝罪→質疑応答

みたいな感じだったと思う。質疑応答ではただただ戸惑う8期と絶望の7期によってカオスだったことは覚えている。

ただこの日は朝から誰の顔を見ることができなかった。合わせる顔がないとはこのことだなと

散々部長として偉そうに引っ張ってきて、多少なりとも僕の言葉を信じ成長しようと活動してきた同期後輩に大きな裏切りをしたから。何よりも辛かった。死ぬことなんかよりこの人たちに見放されたら、失望されたら。それぐらい落研の存在は僕にとって大きかった。

全てが終わり、家に帰り、僕は引きこもった。初めて不当に部会を休んだ。8期二役との話し合いの日から三日間何も食べなかった。たべられないとかじゃなくてお腹も空かないくらい、何か大きくぽっかりあいて、すごいたくさんのことを考えているんだけど、何も考えられていないような感覚だった。

『もう落研活動できないんだろうなぁ。演者として日本一を取ることも』

『今から裏方って言ってもなぁ、作家みたいな感じでみんなのネタ練り手伝う初めての人にでもなるかなぁ』

『というかもうこんな部員いらないかぁ』

『もうこんなやつの言うことなんて信じれないだろうしな』

こんなネガティブなことしか考えていなかった。

山内が一番辛かったと思う。彼は状況もよく知らないのに、気を使って何も聞いてこない。後から聞いたが彼は当時色んな人から、僕の状況をラインで聞かれていたらしい。僕がラインを全無視してたからね。何も言わず俺と一緒に部会を寝坊して、一緒にいてくれて、深夜には下ネタで笑わせてくれた。

数日経って、僕をご飯に連れ出してくれた先輩、同期のおかげで少し気分が晴れた。遊びに行ってくれたりしたし、内緒のつもりだったのに結構周知の事実になってたのね。

僕の失踪事件なども軽く挟みながら

僕の気持ちを一番軽くしてくれたのはパンパンとたけしだった。

2人はある日急にうちに来て、「酒でも飲もうぜ!!」とお酒とご飯を買って乗り込んできた。他愛もないテレビの話とか、大学の話とか、昔話とか。

(※後から聞いた話だけど、二人は先輩にどうしたらデスコを励ませるのか相談していたらしい。支えてもらったデスコを支えたいと。先輩から落研の同期部員としてでなく、一人の友達として接してあげれば?と言われたらしい。)

落研の話はしなかった。酒に弱い2人は勝手に飲んで勝手に潰れてた。僕は二人が寝たのを確認して自分の部屋に戻った。



僕を見捨てないでいてくれる仲間がいる。同苦して泣いてくれた仲間がいた。

僕がもうちょっとだけ頑張って落研をやるのにこれ以上の理由は要らなかった。


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