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"産んで欲しくなかった"は呪いの言葉と知ってるから





なんで、産まれてきたんだろう。


ずっと、消えたかった。

私自身が存在すること自体が嫌で、どこかに消え去りたくてたまらなかった期間が長いように感じる。

恵まれているのに、だ。

友達も恋人も親友もいる。のに、
勉強もそこそこできる。のに、
スポーツもできる。のに、
容姿も悪くない。のに、

ずっと恨んでいた、母を憎んでいた。

「産んで欲しくなかった」
なんで産んだんだよって恨んでた。

恨んでたことに気づかないぐらい、
恨んでたんだと思う。憎んでた。

人間は感情を感じすぎると
その感情がなくなると言われている。


気づかないぐらい。


母のことを愚かだと思っていた。
整体師に“私を産まない方がいい”と
言われたのに、なんで体を粗末にしたんだ、
って愚かだと思っていた。


母のことを憎いんでいた。

“私のことを産んで欲しくなかった"
ってことを長らく誰にも言えなかった。


とくに母には言えなかった。


なぜなら、
母にとって
呪いの言葉になることを知っていたから。


別に母を傷つけたいわけじゃない
苦しめたいわけじゃない
自分のことを責めて欲しいわけじゃない

「私のせいだった」「私が悪い」
って罪悪感を植え付けたいわけじゃない。

だから、言えなかった。言わなかった。



昨日、母に

「本当は、ずっと産んで欲しくなかったって思ってた。長らく思ってて、ずっと恨んでた。頼れないって思ってた。でも恨みたいわけじゃない。それが今だいぶ消えたから、今言えてる。多分、今言えるのは攻撃する意図がないからで。ただ聞いて欲しい。産んでほしくなかったとお母さんに言うのは呪いになることを知ってた。だからずっと言えなくてしんどかった。生きるのがずっとしんどかった。今こうやって言えるのは、恨みがなくなりつつあるからで。年々楽しく生きれるようになってきてるからで。私は体を痛めつけてまで整体師に反対されてまで産んでほしくなかった。でも、今はそれぐらい私に出会いたかったことも知ってるというか、私はお母さんが頑張ってることを知ってるよ。」と言った。


母は少し泣きながら「そんなあるわけないやん。あなたを産みたくて産んだんやで。あんなーお父さんと出会ったのは股関節の手術で入院した1週間のうちやで。あと1週間たってたら出会ってなかった。縁やなぁ〜って思ったよね、すごいよね」と言った。(その他の話は端折る。)





わたしは、知らなかった。私が「母が私を産まなかったら…。股関節も負担がかからなくて、足のびっこもひいてない。股関節の手術なんてしなければ…。」と思っていた入院場所が父との出会いだったなんて、知らなかった。

私が母親に「母のことを恨んでた、産んで欲しくないと思ってた。でも苦しめたいわけじゃない。」とずっと言えなかったのは、母を「小さい人間」だとみていて、勝手に母を「受け取ってくれない存在」としてみてたんだと気づいた。



最近、母親に「お母さんはお母さんだよ」と数回言った。「あなたは悪くないよ」と言った。





私がかけられたかった言葉は


あなたはあなただよ


あなたは悪くないよ

だったのかもしれない。

かけて欲しい言葉を人にかけてるのかもしれない。



人を励ます言葉は自分の励ます言葉になるなぁ〜って思った。人を励ますようで自分を励ましてるのかも。

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