字が汚い

 自分の「字が汚い!」ことに着目して書かれた文章が実に美しかったりする稀有な本。読むのが遅い私があっという間に読了したことを尺度にした「美しさ」です。さて、どうせ書くなら汚くない文字にしたい。一方で味のある字とか人柄がにじむ文字もありますね。書き方あるいは描き方に流行りすたりもあります。信長さんは理想の字を求めてペン字教室に通ったり、文豪たちの字を探求したり、こう言ってはなんですけど悪あがきをします。そして個性的な書き手たちとの対話から「字を書く」という行為が何であるのか浮かびあがってきたり、こなかったりします。ルポのお手本みたいな一冊だし、この本を参考にして自由研究の宿題をこなしてほしい!

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