『現代詩ラ・メールがあった頃』刊行記念トークイベント棚沢永子×文月悠光疾走する詩誌、その激動の物語

「現代詩ラ・メール」をご存知でしょうか?1983年から1993年のあいだ、全40号が発行された伝説の詩誌です。
新川和江と吉原幸子。ふたりの詩人が編集人となって「女性詩」の系譜をつなぎ、女性アーティストをフィーチャーすることを念頭に編纂されておりました。
吉原さんの対談連載は名物企画で、毎回多彩なゲストを迎えて、熱のこもった対話を掲載。新しい才能をかかげる詩人の船出を後押しし、その活躍の舞台としても機能してました。
その知られざる舞台裏が開陳されているのが『現代詩ラ・メールがあった頃』です。

著者の棚沢さんは創刊時から編集実務担当者として雑誌作りの最前線で奮闘された方です。「現代詩ラ・メール」について書くならこの人をおいて他におりません。
本書の肝は吉原さんと棚沢さんの簡単には言葉にできない独特の関係性にあるようにおもいます。あふれる才気とうらはらに不器用なところがある吉原さん。出会った当初は娘くらいに年の離れた新米編集者だった棚沢さんを対等に扱い、容赦なく鍛え上げます。吉原さんの鬼気迫る働きぶりに圧倒され、ときに苦しむ。ひたむきな姿と厳しい一面。複雑な感情がぶつかり、飛び散る火花が鮮烈なのです。

トークのお相手には、詩人、文月悠光さんをお迎えします。吉原作品について「詩を通して吉原さんの目で世界を見ているような気持ちになれる」とコメントされたこともある文月さん。「ラ・メール」についてどんなお話が伺えるか、とてもたのしみです。

詩について、雑誌の編集について興味のある方には、本当に刺激的なイベントになることでしょう。
どうぞ奮ってご参加ください!

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