鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

 偏見ですが、理系の研究者には、風変りなオタク気質の人物が多そうです。一方で情熱的なロマンチストかも、ともおもいます。第一線の鳥類学者である著者は、それらの特性をメーターが振り切れるまで高めた超絶な人物であることが、この本でわかります。とはいえ、才能と個性とそれを培う環境が整わないと学者になれないのかな、なんて懸念を打ち砕いてくれる内容でもあります。鳥を追いかけて東奔西走する日々の描写は、ときに自分たちの日常とかけはなれて見えるかもしれない。だけども根底にある、情けなかったり、超地味だったり、寄り道が多かったりするのはとてもなじみ深いはず。ギャグと知的興奮のミックスでスルスル読めちゃう本ですよ。

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