映画「共喰い」へのコメント

ラストが大胆に盛られていて、おどろきました。女たちの逞しさが強調されていて、生きる、食べる、生殖する、という主題がそこに収斂していく。昭和の終わりと、隔離された人間たちのドラマが重なって、希望でも絶望でもなく、それでも生きていくしかない、という覚悟が伝わってきました。お見事です。男はだいたいが悶々としているか、悶々とした日々をかいくぐってきている。そこに正面から決着をつけようとする威風堂々性欲映画だ。食欲映画としても奮っている。性欲モンスターの親父が喰らうウナギの生々しさ。義手で叩いた魚に葱と醤油をぶっかけた丼を一挙にかっこむ爽快感。性欲&食欲を追求したら、一級の青春映画になっていたという奇跡!!

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