さよ俺フェアポップコメント

二村ヒトシ『すべてはモテるためである』
熟読するとこのタイトルに著者が込めようとしたものが、ストンと腑に落ちる。恋愛の呪縛を解く一冊。

雨宮まみ『ずっと独身でいるつもり?』
清田さんはフェミニズムとの邂逅がサブカルからだったと書かれている。私も同じだ。雨宮さんの一連の本をサブカル的な興味で読よみはじめた。雨宮さんは、どんどんソリッドに、無駄のない文体に移行した。本書にその兆しがある。その先の先が見たかった。

フクチマミ村瀬幸浩『おうち性教育はじめます』
この国の性教育が大幅に遅れている自覚が必要だ。公の教育機関に委ねてしまっていたら、いつまでも状況は変わらないだろう。親がもう一度大人になり、成長していく子とおうちで向き合わねば。

小手川正二郎『現実を解きほぐすための哲学』
清田さんは相談者たちの悩みをひたすら聞いて、解きほぐす。その手法は本書が現象学の知見で現代の諸問題に挑んだやり方に似ているのかもしれない。

山崎ナオコーラ『ブスの自信の持ち方』
清田さんは「俺たち」を解体して、男性性を問い直す。山崎さんは、変わらなきゃいけないのは、「社会」の方なのだ、と説く。アプローチは違えど、描こうとする未来図は意外に近い。

初出:SPBSでの『さよなら、俺たち』フェア

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?