バスのって
夜はまだはじまらない
むきだしの鉄骨に光はまだあたらない
見なれた空気を吸って
聴きなれた声をおもいだす
少しはなれていて 地図をひろげて
ペタペタと歩く人 けむり吐く円筒
よそゆきの言葉でさがして
見つかった気がして
追い抜かれたたずんで
こういうことは起こりえるのか?
逡巡して
建築というのは何をふうじこめようとしたのか
少女は問い
「桃とか都市とかあるいは記憶?」
東京の全ての窓は輝く
全てのプールが流れる
残った人 車 カラス
ペンダントをひろう手
それをてらす光
どうして思いだせないんだろう
未来の郷愁はわたしたちをメタメタにしてしまうようで
でも今かんがえていることはほとんど吉祥寺ですまそう
もうおなかがへったね
いっしょにかえろう
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