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青の彷徨 前編

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昭和の末期、全国の医薬品卸は300社ほどあったのが30社ほどに収斂されていった。異常な慣習や滑稽な日常があった。その中を必死に生き抜いた男の姿を描きたい。
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#田舎

青の彷徨  前編 18

 四月になると、ノッピが岩下病院からいなくなった。引継ぎ中の橋田祐太郎が気づいた。患者が減っている。ノッピは患者に人気があった。塩見太郎、橋田祐太郎、最後に黒田浩太が万丈支店から転出して行った。キョーヤクになって最初の月が終ろうとした頃、前年度の表彰者が決まった。最優秀営業員賞を周吾は受賞した。キョーヤクとして初めて全社表彰となって合同表彰である。京町薬品から一人、宮崎、熊本、鹿児島、沖縄から、それぞれ一人受賞した。      他は、キョーヤク医療器、キョーヤクヘルスケア、キ