AI 時代に大切なスキル

新井紀子さんがいいこと言ってたからここに残しとく。

人間に求められるのは「道具選び」のスキル

 もちろん、「直角三角形の高さを仰角から求める問題」であれば東ロボくんは簡単に解けるわけです。そして、共通テストで出題された「キャンプ場から見える山の絵の問題」の本質的な構造は「直角三角形の高さを仰角から求める」ことです。だから人間があらかじめ、そういう問題なのだと翻訳しておいてあげれば、東ロボくんはパッと解いてくれます。おそらく人間以上に素早く。数的処理は得意ですからね。
 ということはAIを活用する時代に人間に求められるのは、現実の世界で何か問題に直面したときに「本質的な構造」を取り出すことです。それも数学的な意味において。いわゆる「リスキリング」や「アップスキリング」でも同じです。
 大雑把(おおざっぱ)ないい方をすれば「どんな道具で解決するか?」を判断することが、人間の仕事になるのでしょう。例えば、ノーコードで簡単にアプリが開発できるようになったり、AIを一度つくれば勝手に進化してくれたり、便利な道具はこれからもたくさん出てきます。そのなかで「今、自分が抱えている問題」に対して、どの道具を使うのがいいかを的確に選べるということが大事です。「もしかしてAIが使えるかも」とか「いや、ここはAIを使うより、もっと古典的な道具を使うほうが、この問題解決には合っているのではないか」とか、いろいろ試行錯誤したうえで「選べる」ということが、求められているのだと思うのですよ。


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