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嗚呼絶景! 絶叫コースターから見下ろす青木ヶ原樹海┃ヤスデ丸の1万逃歩日記 #16

なかなか運動する機会もないため、毎日1万歩は歩くように心がけている編集部員ヤスデ丸(27歳)。健康増進というだけでなく、散歩は日々の現実逃避にうってつけ。その道中で見たもの聞いたものは、こんなもの──

(1)7800+3000×2+1500=15300

(2)(2000+3000)+2(2000+3000)+1500+(1500+1500)=19500

……よかった!
フリーパス(7800円)買ったけど、損してなかった!

富士急ハイランド入口

樹海を拝む

久しぶりにジェットコースター欲を満たすため、富士急ハイランドへと足を伸ばした先週土曜。

しかし私はうっかりしていた。
春休み&3月最終土曜日ってことで、普段は「暇だし乗っとくか」程度の幼児向けアトラクションですら1時間ちかく待つほどの混雑具合。人気コースターとなればどれも150分超え。ディズニーかよ。

「こんなに混んでるんじゃ、もしかしてフリーチケットじゃなくて単品チケット買ったほうがオトクだったのでは⁉️」と帰京後も頭をモヤつかせ続けてたけど、いまこの場を使って計算させていただきましたので心のモヤモヤが晴れ渡りました。
とんだ杞憂でしたわい。4400円得したぜ!

久しぶりのラーメン、うれしい(だが真顔)

この日私が乗ったコースターは全部で4つ。

①FUJIYAMA

おそらく最人気コースターは「ええじゃないか」だが、富士急4大コースターの代表格といえばやっぱりFUJIYAMA。

オーソドックスなコースターながらも、所要時間3分36分と長時間楽しませてくれ、ゴッゴッゴッと車体を揺らしながら60m上昇すると、広がるのは美しい富士山と数多の死体を隠す青木ヶ原樹海の風景。嗚呼絶景哉!

後半ではコースターが真横に傾き、体全体で凄まじい"G"を感じながら、発着地点へと最後の疾走。「最初の落下よりこれの方が恐い!」という意見も多い。

富士山入口。長蛇の列

②高飛車

こちらも4大コースターの一つ。最大落下角度が121度になることでギネスに登録されている。大概のギネス記録に対して「はあ、そうでござんすか」となるのと同じで、この「121度」に高飛車の面白さがあるわけではない。

時速100キロの猛スピードで暗闇の屋内を駆け抜け(心臓がキュッとなる)、突如晴天のもとにさらされたかと思いきや、コースターがカックリと90度上を向き、ジワジワと上昇、そして「121度」へと向かう。これが高飛車の目玉だ。

上昇中、女子大生たちの悲鳴を聞くことになり、「恐怖はこれからだ」と植え付けられるのである(一緒に来たクラスメイトの男子たちへのアピールタイムでもある)。

これがギネスに認定されている落下角度121度(富士急公式HPより)

③トンデミーナ

トンデミーナ‼️
私が富士山に行く理由はとにかくこのトンデミーナが大好きだから! 私の友人もみんなこのトンデミーナが大好き!

園内に実際にあるピザーラを公式スポンサーに迎え出来上がったトンデミーナは、「大きなピザに乗ってお空にトンデミーナ~!」ということだそうだ(?)。2021年5月から、新コースター建設のため長きに渡る運休期間となった(絶望)が、ついに復活!

足はぶらぶら、空へポーンと放り出され、「そのまま樹海へと落下してしまうのではないか、実は樹海の死体の一部はここから投げ出された客なのではないだろうか」そんなことが一瞬頭に浮かぶ圧倒的恐怖感。一度に50人搭乗できるため回転率も高く侮ることなかれ。

これでブンブンと投げ回される。円盤にぐるりと100本の足が伸びているため、まるで丸まったゲジゲジ。多足類恐怖症の人にたまったもんじゃない?

④富士飛行社

検索バーに「富士飛行社」と打つと「(スペース)つまらない」との検索候補が。富士急のかわいそうなところは、富士急ならではのローカリティあふれるコンセプトの良さがわからない間抜けなユーザーも多いところだ。

こちらは映像と座席の動きで錯覚を楽しむモニターアトラクション。日本初の「フライトシミュレーションライド」だそう。富士山を中心に花畑や茶畑、火山口などを飛行機の羽に取り付けられた座席に乗って観光する、という富士急らしい粗雑ともダイナミックともいえる突飛なコンセプトだ。

雷雲の中で雨に打たれたり、別の飛行機が目の前を通過したり、無法地帯になった世界線の日本を楽しめる。屋内アトラクションのため、急な雨で人気コースターが運休になったらぜひ富士飛行社へ。想像以上に絶景です。

富士飛行社の入口。この日は確か80分待ち

ちなみに冒頭の計算式の内訳はこんな感じ↓

(1)7800+3000×2+1500=15300
7800円→フリーパス(乗り放題)
3000円→絶叫優先券(「FUJIYAMA」と「高飛車」を購入)
1500円→絶叫優先券(「富士飛行社」を購入)

絶叫優先券とは、長い列を待たずにすぐ乗れるチケットだ。

2時間近く並んでやっと先頭に来て「いよいよ次だ!」と思いきや、絶叫優先券の列に並んでいた大人たちが颯爽と割り込んでいく。今回、これをかまして一人の少年を泣かせてしまった。
「ママ! どうして! どうしてぼくじゃないの⁉️(号泣)」

少年よ、これが資本主義だよ。

「ママ、ぼく決めた。ぼく、将来お金持ちになってやる。どんな手を使ってでもね……」という展開になったかもしれない。

(2)(2000+3000)+2(2000+3000)+1500+(1500+1500)=19500

こちらの2000や1500は一つひとつのアトラクションにかかる乗車券の値段。フリーパスを買ってもそんなに乗れないよ~という方はフリーパスよりオトクかもしれない。ちなみに富士急は入園自体は無料。ワンコと散歩に来ている人もいる。

私が撮っているものは……
トーマス。目が動いてめちゃくちゃ恐い。なぜ子供はこいつが好きなんだろうか? かくいう私も理不尽極まりないトップハム・ハット卿が好きなのでたまに見返すことがある。こいつからも資本主義(しかもイギリスの)を学ぶことができる

仮眠オジサンを拝む

テーマパークや遊園地の醍醐味の一つといえば、オジサンの休憩スポットを見学すること。富士急の喫煙所は広い園内にもかかわらず1箇所のみ。しかしこんな場所もある。

USJにもこんな芝生のエリアがある。ユニバではユニバのフリーパスを持った大阪産女子高生たちが自撮りに勤しむが富士急は違う。
平日に労働し、土日に家族サービスをするオジサンたちが、山奥へと車を走らせ、こどもたちを希望の場所へと送り届けたらやることといえば寝ることのみ。ガチ寝するお父さんたちの哀愁漂う背中を拝めるのだ。

横たわっている多くの中年は、家族のために1週間の疲弊の溜まった体にむち打ち富士急へと特攻した兵たちだ

この日の歩数は【13,964歩】。遊園地、歩くにはピッタリだけどあることに気づいてしまった。これまではなんてこともなかった三半規管に衰えを感じる。今までは連続して何回も乗れたコースターだが、降車後しばらく頭がぐらつく。そのうちゲロとか吐いちゃうんだろうか。なるほど、遊園地で子連れ以外の中年を見ないわけだ。私はまだまだ行きたいけど……次行くとしてもフリーパスを買うことはないかもね(老)。

<著者プロフィール>
ヤスデ丸(やすでまる)
「実話ナックルズ」の女編集部員。埼玉生まれ中東ハーフ。いよいよアラサー。YZF-R3を手放して、車検のないニーハンに乗り換えたい今日このごろ。好きなプロテインは「ウマテイン」ミルクティー味。最近は篠笛に演奏に再燃している。「1万逃歩日記」「裁判傍聴ファイル」など不定期で掲載中


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